この記事では、「起業準備としての自己分析」について解説します。
起業準備段階においては、ビジネスにあなたの強みや知識、経験・スキルを活かすためにも、自己分析は非常に重要な作業です。
ただし!
問題なのは、自己分析にのめり込んでしまい、肝心の行動が全く出来ていない人が山ほどいることです。
↓よくあるパターンはこんな感じ。
最近、仕事が嫌で嫌でしょうがない。 自分にはもっと合っている仕事があるんじゃないか?と考え、不安や焦りに襲われる毎日。 ある日、もっと自分のことが知りたくて、SNSで見つけた「本当の自分を知る講座」にお金を払って申し込んだ。 講座では丁寧に自己分析について教えてくれたし、同じような悩みを持った仲間との出会いもあった。 そのおかげで、少し自分が分かった気がする。 ・・・でも、何だかモヤモヤが残っていて、正直なところ、本当の自分にたどり着けた気はしない。 色々調べていると、今度は「〇〇診断」というツールを見つけて、面白そうだったので無料テストを受けてみた。 すると、これがめちゃくちゃ当たっててびっくり! ここに答えがある気がして、関連の記事を読み漁っていると、専門家が自分の特性を詳しく教えてくれる「個人セッション」があったので申し込んでみた。 セッションはとても面白くてあっという間に時間が過ぎた。 専門家からアドバイスも頂いて、今度こそは自分に自信が持てた気がした。 ・・・あれから3ヶ月。 自分に自信が持てたと思ったのに、仕事中のミスがきっかけで、過去に無いほど凹んでいる自分がいる。 なんでこんな事になってしまったのか・・・もう自分がよく分からない。
・・・どうですか?
あなたには当てはまっていないことを願います。
でも、もしピンと来てしまったとしても大丈夫です。
この記事を読むことで、あなたは
といった状態になれるでしょう。
- 起業準備段階における自己分析の注意点
- 72個の質問に答えて自己分析をスムーズに完了させる方法
- 自己分析結果をビジネスに活かす方法
目次
起業準備段階における自己分析のワナ
自己分析を行う上では、気をつけなければならない事が1つあります。
それは「自己分析には終わりがない・・・」ということです。
巷の起業コミュニティや自己啓発系のセミナーでは、必ずと言っていいほど、自己分析を行うプログラムが用意されています。
それは、なぜだと思いますか?
・・・答えは「参加者のウケが良いから」です。
確かに自己分析は重要なのですが、同時にやっていて楽しいことでもあります。
自己分析をしていると、何となく起業準備をしているような感覚に陥るんですね。
でも実際は何も進んでいません。
そのため、多くの方が自己分析に時間をかけすぎてしまい、肝心な行動を起こすことができない・・・という状況に陥っています。
僕はこれまで1,000人以上の方の、ビジネストレーニングを行ってきましたが、自己分析にハマりすぎて、何も出来ていない人を沢山見てきました。
今回はそんな自己分析を分かりやすく、またスムーズに完了させるために、以下の6つのカテゴリーに分けて分析を進めます。
そうすることで、様々な視点から起業準備を整えることができるからです。
起業準備を整える6つの自己分析カテゴリー
自己分析と言ってもやり方は様々ですが、おすすめは「カテゴリーごとに分けて分析する方法」です。
今回は以下の6つに分けて進めます。
- 好きなこと(情熱):お金にならなくてもやりたいこと。自分が興味や情熱を持っているものをリストアップします。これはビジネスを持続し、困難な時にも前進する原動力となります。
- 強み:自分の得意なこと、他人よりも自然とうまくできることを明確にします。これらの強みは今の仕事はもちろん、自分のビジネスを始める時にも使えます。
- 弱み:自分の苦手なこと、頑張っても大した結果が出ないことを明確にします。改善点や不得手な部分を認識し、それを補完するための戦略や協力者の探し方を考えます。
- 知識・スキル:現在持っている知識やスキルはもちろん、新たに学ぶべきものや、磨くべきものを明確にします。強みと掛け合わせることで、より大きな結果が生まれます。
- 人とのつながり:あなたに協力してくれる人。既存の人脈や、これから築きたい関係を整理し、ビジネスの成功のためのキーパーソンを特定します。
- ビジョン:人生のゴール。自分の目指すべき未来を明確にすることで、日々の過ごし方、仕事の取り組み方、ビジネスの方向性などを決めることができます。
このようにカテゴリーを分けることで
といったことが、客観的に分かるようになります。
ではこれから、あなたを分析するための「72個の質問」をします!ノートと筆記用具を準備してスタートしてくださいね。
1.好きなこと(情熱)を知る
情熱とは「お金にならなくてもやりたいこと」です。
ある程度の社会人経験があれば、あなたは多くの経験やスキルを持っているはずです。
しかし、成功するビジネスを築くには、ただのスキルや経験だけでなく、ビジネスに対する情熱や愛情が必要です。
情熱があるからこそ、困難な時期やモチベーションが低下したときでも、前進し続けることができます。
自分の好きなことを見つける12の質問
- 今までの経験の中で、一番楽しかった瞬間や仕事は何でしたか?
- もし時間やお金に制限がなければ、何をして過ごしたいですか?
- 仕事の中で、特に好きな部分は何ですか?
- 休日に心から楽しんでいることは何ですか?
- 人に説明するのが楽しいと感じることは何ですか?
- 子供のころ夢中になっていたことや遊びは何でしたか?
- 他人から「あなたらしい」と言われることは何ですか?
- 誰かに心から感謝されたとき、何をしていましたか?
- あなたが感じる「成功」とはどのようなものですか?
- 最後に新しいことを学び、それに興奮したのはいつですか?
- 他人と比べて自分が得意と感じることは何ですか?
- キャリアを通じて、最も誇りに思う瞬間は何でしたか?
これらの質問を通じて、あなたの情熱や好きなことを深堀りすることで、起業のアイディアや方向性として活かすことができます。
情熱と言われてピンとこない場合は、「いま興味があること」でもOKです。ハードルを下げて考えてみてください。
↓自分の価値観を知ると、好きなことが見つけやすくなるかもしれません。
2.強みを見つける
強みとは「他人よりも自然とうまくできること」です。
他人ができないと、ついイライラしてしまうことも、あなたの強みと言えるでしょう。
成功する起業家は、自分の強みを理解し、ビジネスに活かす方法を知っています。
自分の強みをビジネスの中心として位置付けることで、競合との差別化や顧客の信頼獲得に繋がります。
自分の強みを見つける12の質問
- お仕事の中で、多忙な時でも安定して遂行できるタスクは何ですか?
- 同僚や顧客から頻繁に褒められることは何ですか?
- 過去の業務で、特に成功したと感じる瞬間やプロジェクトは何でしたか?
- 他人と比べて、自分が優れていると感じるスキルや知識は何ですか?
- ストレスフルな状況下でも、冷静に判断や行動ができる瞬間は?
- あなたのアドバイスや意見が特に求められるシチュエーションは?
- あなたが率先して行う業務やタスクは?
- 顧客からのフィードバックで、特に印象に残ったものは?
- いまのお仕事以外の活動で、自分の強みとして活かせている能力は?
- あなたが持っている資格や経験の中で、特に自信を持っているものは?
- どのような時に「自分ならでは」と感じる瞬間がありますか?
- 他人から「あなたにしかできない」と言われた経験や業務は?
これらの質問を通じて、自分の強みや特性を再認識し、どのようにビジネスに活かすことができるか?を考えていくことが重要です。
3.弱みを見つける
弱みとは「頑張って努力しても、大した結果が得られないこと」です。
弱みは隠すものではなく、受け入れるものです。
弱みを自覚した上で、外部からのサポートを取り入れたり、新しい知識を積極的に取り入れましょう。
また、ビジネスを展開する上で自分の弱みを補ってくれるパートナーや、チームメンバーを選ぶことも大切ですね。
自分の弱みを知る12の質問
- 今のお仕事で、特にストレスを感じるタスクは?
- 過去の業務で、後悔している瞬間や判断は?
- 他人と比べて、自分が不得意と感じるスキルや知識は?
- 同僚や顧客とのコミュニケーションで、誤解を生むことが多い瞬間は?
- 繁忙な業務の中で、最も避けたいタスクは?
- あなたが過去に研修や教育を受けたいと感じたジャンルは?
- フィードバックや評価を受けたくないと感じるのはどんなこと?
- 他人のサポートや助言を特に必要とする業務やシチュエーションは?
- 時間をかけても、なかなか成果を上げられないタスクや活動は?
- 他人の協力を得て、より良い結果を出すことができる瞬間は?
- 自分の意見や判断に自信を持ちづらいシチュエーションは?
- 業務の中で、特に学びたいと感じることは?
これらの質問を通じて弱みを知り、補完する方法を見つけることで、ビジネスの成功確率を一層高めることができます。
↓「自分のタイプ」によっても、強みと弱みは変わるってご存知ですか?
4.知識・スキルを見つける
知識・スキルとは「お金や時間を投資して身につけてきたこと」です。
今のお仕事で得られた知識・スキルもちろん、これまでお金を払って学んできたものなども含めて整理しましょう。
自分の知識やスキルを特定する12の質問
- 最も豊富な知識を持っている分野は?
- これまで習得したスキルの中で、特に専門的なものは何?
- 他人から学びたいと言われる技術や知識は?
- 業務の中で、特に効率的・効果的に行えるタスクは?
- 同僚や顧客から、頻繁に質問やアドバイスを求められることは?
- 過去に学んだことや、会社の研修で習得した、特に役立っているスキルや知識は?
- 最新のトレンドに関して、興味を持ち追求している分野は?
- 日常業務の中で、特に誇りを持っている実績や成果は?
- あなたが業務の中で独自に考えた、自分だけがこっそり使っているノウハウは何?
- 仕事の中で、独自の手法や考え方を取り入れている部分はどこ?
- 経験や知識を、他の分野やビジネスにも応用できると感じる点は?
- これまでのキャリアで、最も周りから価値を認められている実績やスキルは?
これらの質問に答えることで、自分の知識やスキルを、ビジネスにどう活かすか?方向性を定めることができます。
「好きなこと・得意なこと」はハードルを下げて考えますが、スキル・経験は少しハードルを上げて「人から求められるもの」を基準にすると、後で応用が効きやすくなります。
5.人とのつながりを見つける
人とのつながりとは、単なる知り合いではなく「喜んであなたに協力してくれる人のこと」です。
会社員として組織で働いていると「人脈なんてない!」という方がいますが、例えば会社の顧客や取引先でもOKです。
もし、それでも見当たらない場合は、これまで出会った人々を全て思い出し、リストアップしてみてください。
こういったネットワークを適切に活用することで、ビジネスの拡大や情報収集、さらには信頼性を高めることにも繋がります。
そんな人脈の中には、あなたのビジネスに興味を持つ可能性のあるパートナーや顧客、またアドバイザーとなる方々が含まれているかもしれません。
人とのつながりを深める12の質問
- お仕事において、あなたと最も親しい人は誰?
- これまでのキャリアで、最も印象に残っている共同作業を行なったのは誰?
- 誰があなたの欲しいアドバイスや情報を持っている?
- あなたの知識やスキルを評価してくれる同僚や上司、また仲間は誰?
- 業界の中で、あなたがやりたい事と関連性が高い組織や団体はどこ?
- これまでの仕事の経験の中で、最も信頼・共感できる人は誰?
- あなたが起業する際に、サポートしてくれるだろうと感じる人は誰?
- 仕事やプライベートで築いた人脈の中で、特に影響力のある人物は誰?
- あなたのビジネスアイデアに興味を持ってくれると感じる人は誰?
- 起業をサポートしてくれる可能性のある企業や組織はどこ?
- あなたのネットワークを最も活用できるビジネスの分野は?
- あなたのキャリアの中で、最も学びや刺激を受けたつながりは?
これまでの仕事を振り返ったり、スマホの連絡帳やSNSで繋がっている方々など、名前と顔を思い出しながら考えてみましょう。
↓内向的で人見知りでも、つながりを作る方法があります。
6.目指すべきビジョンを見つける
ビジョンとは「人生のゴールであり、他者貢献につながること」です。
これまで身につけた知識や経験は、今のあなたを表現する素材です。
それに対して、明確なビジョンを持つことは、未来のあなたを表現する素材となります。
抽象的な質問が多くなりますが、とても大事な部分なので最後まで取り組んでください。
ビジョンを設定する12の質問リスト
- これまでの経験の中で、最もやりがいを感じた瞬間は?
- 現在携わっている業界において、改善すべき点や問題点は何?
- 10年後、20年後の自分が理想とする姿は?
- あなたが提供したいサービスや商品は最終的にどうなっている?
- どのような価値や影響をお客様や社会にもたらしたい?
- 自分のビジネスを通じて、どのようなメッセージや価値観を伝えたい?
- 競合他社と差別化するための独自のビジョンは何?
- これから予想される困難や障壁を乗り越えるための戦略は何?
- 自分のビジネスが成功するとしたらどんなイメージ?
- 起業する上で絶対に譲れないポイントは何?
- あなたのビジネスは将来的に社会にどのような影響を与える?
- あなたのビジョンを一言で表すとしたら?
これらの質問に答えることで、自分の経験や視点を活かした、独自のビジョンを明確にすることができるでしょう。
以上が自己分析を完了させる72の質問です。お疲れ様でした!
質問から得られた自己分析結果のまとめ方
さて、72の質問を通じて多くの情報や気づきを得ることができたでしょうか?
この結果を効果的にまとめ、起業準備における自分の立ち位置や方向性を明確にしましょう。
ビジネスプランへの反映方法
では次に、自己分析の結果をもとに、具体的なビジネスプランを作成する段階に移ります。
以下のポイントを参考にして、自己分析の結果をビジネスプランに組み込みましょう。
- ビジネスアイデアに組み込む:好きなことや情熱、強みを中心に、具体的なビジネスのアイディアを練ります。
- 市場分析に組み込む:強みや知識・スキルが活かせる市場やターゲット層を特定します。
- 戦略に組み込む:弱みを補完し、人とのつながりを最大限に活用するための戦略やアクションプランを設定します。
- ビジョンの具体化に組み込む:設定したビジョンをもとに、中長期の目標を設定し、達成するためのステップを明確にします。
- 収益化に組み込む:これまでの経験や知識を活かしたビジネスモデルや、商品・サービスの価格を決めましょう。
↓ビジネスを始める具体的な方法が知りたい場合は、以下の記事も参考にしてください。
自己分析は何度も行う必要はありません。もし今後大きな壁にぶつかったら、思考整理を兼ねて軽く行なうくらいで良いでしょう。
まとめ:起業準備における自己分析
今回は「起業準備において自己分析をスムーズに完了させる方法」についてお伝えしました。
起業準備と一言でいっても、戦略策定、資金調達、人脈づくり、商品設計、マーケティングなど沢山やることがあります。
自己分析だけで起業準備ができた気にならないよう、確実に行動を進めていきましょう。
是非、あなたの感想や気づきをコメント欄に残してくださいね。もしブログが気に入ったら、ブックマークもお願いします!
岩下 知史(イワシタ トモフミ)
ビジネスコーチ/才能診断の専門家
看護師などの資格業向けに「資格スキル×才能×コンテンツを使って年商1,000万ビジネスを作る方法」を発信中。人を支援するスキルを持った人が、自己犠牲ではない本当の「支援力」を身につけるサポートを行う。
【顧客実績】経験ゼロ→副業3カ月で15万の案件獲得、最高月商15万→2ヶ月で100万達成、1回のプロモーションで売上1,000万円達成など。好きなものはギターと娘。