メールマーケティングにありがちな10の失敗とは?具体的な対策法もお伝えします

この記事では「メールマーケティングでやってしまいがちな失敗とその対策」について解説します。

メールマーケティングが失敗すると

  • SEOへの悪影響
  • エンゲージメントの減少
  • ブランドイメージの損害
  • コンバージョンの低下
  • 法的な問題

といった、大きな影響を引き起こす可能性があります。

普段ブログやSNSで、どれだけ良いコンテンツを発信していても、メールマーケティングの失敗により、その効果が低下してしまっては意味がありません。

今回の記事を参考に、この機会に改めてメールマーケティング戦略を考えてみましょう。

この記事を書いた人
スモールビジネス構築の専門家:岩下知史

岩下 知史(イワシタ トモフミ)

会社員時代に躁鬱病を経験〜独立後は物販・コーチング・ライティングで売上1,000万〜2,500万円のスモールビジネスを複数立ち上げ。 現在は主にスモールビジネスにおけるマーケティングを専門とし、これまで1,000人以上の起業家、個人事業主に研修・コーチング・コンサルティングを提供している。

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メールマーケティングで読者の関心を引き上げるコツ

まず、今回の記事におけるメールマーケティングとは「メルマガ」とほぼ同じ意味だと思ってください。

正確に言うと、メールマーケティングとは

  • メルマガ
  • ステップメール
  • ターゲット毎に配信するメール

などを包括した、マーケティング手法全体のことを指します。

ですが、今回は専門的な言葉を使ってややこしくしたくないので、同じ意味として使います。

その上で、メールマーケティングを行う際は、メール読者の関心を引き、より多くの反応を得るためには様々な工夫が必要です。

以下に、メールマーケティングよくある10個の失敗と共に、読者のエンゲージメントを向上させるための具体的な戦略を紹介します。

1. 一人ひとりに合わせたメッセージになっていない

メルマガで重要なのは「読者一人に向けて書くこと」です。

そのため、主語は常に「あなた」を使うのが基本中の基本です。

NG:メルマガがうまく書けない方は〇〇をしましょう。
GOOD:(あなたが)うまくメルマガを書けない場合は〇〇をしましょう。

これについては、ブログやSNSでも似たようなことを聞いたことがあるかもしれません。

ただ、ブログやSNSは、その特性上から読者の絞り込みがそこまで詳細に設定できません。

例えば「メールマーケティング メルマガ 違い」というキーワードでブログ記事を書いた場合、その読者はマーケティング担当者かもしれないし、個人事業主や経営者かもしれません。

このように、ある程度の広範囲で、不特定多数に向けて発信する必要があります。

その点、メルマガはあなたのコンテンツに興味がある人だけが登録してくれているはずです。

だからこそ、その読者に向けてブログやSNSでは伝えられない、絞り込んだメッセージを考える必要があります。

具体的な対策は?

すぐに対応できる方法としては「名前で呼びかける」などが挙げられます。

また、具体的なシチュエーションを表現することで、メールを受け取る人が

読者

あ、これは自分のためのメールだ!

と感じるよう、個人に合わせた内容を提供しましょう。

自分に合ったメールだと感じると、メールを開く確率や反応する確率が高まります。

名前の呼びかけはとても効果的ですが、使い過ぎるとしつこい印象になりますので、ここぞ!という時だけ使うことをオススメします。

岩下

個人に見合った文章がうまく書けると、読者の方から「あれは私のことですよね!?」というリアクションが返ってくることがあります(笑)

2. 興味をそそるメルマガタイトルになっていない

どれだけ一人の読者に対して、良い情報を発信できたとしても「タイトル」が微妙だと、読者はメールを開いてくれません。

例えば、以下のタイトルの場合、あなたはどちらを読みたいと思いますか?

  1. ビジネスの売上をあげる方法
  2. 1,000人のビジネスオーナーがたった1ヶ月で売上を2.5倍にした方法

おそらく2番目ですよね。

このように、メルマガのタイトルはメールマーケティングの良し悪しを決める、最も重要なポイントと言っても過言ではありません。

にも関わらず、本文の内容ばかりに注目してしまい、タイトルを適当につけてしまっているケースも多いです。

これは非常にもったいないですね。

具体的な対策は?

読者がそのメルマガを開くかどうか?は、タイトルでほぼ決まります。(セミナーなどのタイトルも一緒です)

受信者が見て「何これ?気になる!」と思わせるような、興味を引くタイトルを考えましょう。

開封率を上げるために、よく使われる代表的なキーワードとタイトルを、いくつか挙げておきます。

キーワードタイトル例読み手に対する効果
たった〇分でたった5分で顔の歪みが取れるマッサージ即効性を感じさせることができる
ワクワクワクワクするとビジネスはうまくいくイメージを膨らませることができる
なぜ私が〇〇になぜ、私が東大に入れたのか?ストーリーで興味を引く
注意!注意!それ本当に大丈夫ですか?注目を集める(警告!だともっと強い)
〇〇しませんか?1ヶ月の収入を5万増やしませんか?抵抗なく受け入れやすい
メルマガに効果的なキーワードとタイトル例

これらのキーワードは非常に強力ですが、使い過ぎるといわゆる「釣りタイトル」と思われて逆効果になるので注意が必要です。

3. スマホで読みやすいメルマガになっていない

あなたはメルマガを読む時、恐らく「スマホ」で読むことが多いのではないでしょうか?

では、メルマガを書く時は、何を使いますか?

意見が分かれそうですが、作業効率的に「PC」を使って書く人の方が多いと思います。

この場合、書いている側はあまり気にしないのですが、スマホで読む側にとっては、小さい文字や長過ぎる文章(段落)はストレスになります。

この「書き手と読み手の環境の違い」が、メールマーケティングにおいては重要なポイントなんです。

人が文章を読むときは「読まない・信じない・行動しない」という法則があります。

ただでさえ、メルマガの文章は読まれないのですから、できるだけ読みやすくする必要があります。

具体的な対策は?

小さい画面でも読みやすいよう、以下のようにデザインやレイアウトに注意しましょう。

文字の大きさを適正にする

フォントサイズは、15pt以上が読みやすいとされています。

また強調したい箇所は、さらに大きくすることで注目されやすくなります。

(ただし、受信側の設定にもよるので、テストしながら決めましょう。)

一文を短くする

一般的には1行あたりの文字数は35〜45文字ほどが推奨されていますが、本記事では「15〜20文字ほどの短文」をオススメしています。

こうすることで、文章に独特なリズムを持たせることができる上、文字数をキープするために、自然と余計な言葉を省く(推敲)ことにつながります。

見出しをつくる

ブログでは当たり前のように使われる見出し(H2・H3など)ですが、なぜかメルマガになると使わない方が多いです。

メルマガにも見出しをつけることで、視覚的にも、読みやすさ的にも良い効果が得られるでしょう。

スマホでサクサク読めるメールなら、途中離脱も防げるでしょう。

書いたメルマガは、必ずスマホにテスト送信して見直しましょう。そうすることで環境の乖離に気づくことができます。

↓文章の書き方については、こちらでも解説しています。

読まれるブログの書き方|事前準備から継続のコツまで徹底解説!

4.メルマガ内ではっきりとした行動を促していない

メルマガには、以下のような目的があります。

  1. 読者の共感を促すもの(書き手の体験、ストーリーなど)
  2. 読者の教育を促すもの(情報提供)
  3. 読者の行動を促すもの(商品。サービスの案内など)

中でも、行動を促すべき時に「具体的な行動方法」を明記していないケースがよく見られます。

先ほどの「読まない・信じない・行動しない」の通り、読者は書き手が想像している以上に行動しません。

だからこそ

  • アンケートに答えて欲しいのか?
  • セミナーに来て欲しいのか?
  • 商品・サービスを購入して欲しいのか?など

読者に起こして欲しい行動がある場合は、それをしっかり・分かりやすく明記しましょう。

具体的な対策は?

読者がメールを読んだ後に

読者

次に何をすればいいの?

と考えさせないよう、具体的な行動を促す明確な指示をしましょう。

例えば、誘導したいページがあるのであれば、ただリンクを貼るのではなく「今すぐチェック!」「詳細はこちら」など、次に何をすればいいのかを明確に示してください。

岩下

行動を起こしてもらうために、遠慮は一切必要ありません。

5. メルマガリストが分けられていない

一度獲得したメールリスト(メールアドレス)を、一切整理しない人は結構多いです。

これを続けると開封率や反応率がどんどん下がり、いつの間にかメール到達率も下がって、メールアドレス(ドメイン)の評価も下がってしまいます。

リストは、然るべき人にメッセージが届くよう、定期的に整理しておきましょう。

具体的な対策は?

受信者一人ひとりの興味や過去の行動に基づいて、メールリストを細かく分けてみましょう。

例えば、リストの分け方は以下のようなイメージです。

  • メルマガに登録して1週間以内の人だけに特別な案内を送る。
  • 直近1ヶ月以内に、メールを開封している人だけにメルマガを送る。
  • 誕生日や誕生月の人だけにメッセージを送る(事前にデータを集める必要あり)など。

また、しばらく開封されていない人は、積極的にリストから外していくことも大切です。

相談者さん

せっかくのリストがもったいない・・・

と思われるかもしれませんが、そうやってメルマガ全体の反応率を上げることで、結果的にメールドメインの評価を健全に保つことができます。

6. メルマガ送信前のテストができていない

事前にテスト送信しなかったばかりに、プロモーション時のメールなどが、意図通りに送信できないなどの、不具合が起きることがよくあります。

特にステップメール(特定の期間、自動で配信するメール)などに多いですね。

以下はよくある設定ミスです。

  • 送信設定そのものができていない。(下書きのままで止まっているなど)
  • 送信日時(タイミング)が間違っている。
  • 記載したリンクが切れていてページが読み込めない→セールス機会を失う最悪のケース。

具体的な対策は?

実際に送信する前に、メールが正しく表示されるか、リンクは正しく機能するかなど、テストを行いましょう。

できれば、第三者にチェックしてもらうことがベストです。

特に、セールス用のページリンクや、決済リンクなどは要注意です。

少しタイミングがズレただけでも、読者の購入意欲は下がってしまいます。

岩下

小さなミスも見逃さないようにすることで、読者との信頼を築けます。

7.メルマガの配信日が決まっていない

特に個人でビジネスをしている人にありがちですが、気が向いた時にメルマガを書く・・・という人が多いです。

NGではないのですが、読者からするといつ届くか分からないメールのことは、すぐに頭から消えてしまうでしょう。

陥りがちな例の中でも、1番避けたいのが「案内がある時だけメルマガを送ること」です。

これをしてしまうと、メルマガを解除される確率が高まります。

そうならないためにも、配信日に一定のルールを設けておくことが重要です。

具体的な対策は?

例えば「毎週水曜日に送る」「夜8時に送る」「週に2回送る」など、配信ルールを決めておきましょう。

あなたのメルマガを受け取ったことで、読者が「あ、今日は水曜日か」となるくらいの印象を残すことが出来れば、十分メールマーケティングが機能していると言えます。

岩下

少年ジャンプの発売日のような感覚で、あなたのメルマガを、読者が期待して待っている状態になったら最高ですね!

8.メルマガ配信後の分析ができていない

これも非常に多いケースです。

ビジネスは、仮説を立てて、実行に移した後に「分析を行う」ことで初めて改善に至ります。

分析を行わないまま続けることは、メールマーケティングの成功可否を、運に任せているのと一緒ですね。

具体的な対策は?

メールマーケティングがうまくいってるかどうかを知るために、メールでのやり取りをじっくり見ることが大切です。

最低でも、以下のような指標は見ておきましょう。

  • メール到達率
  • メール開封率
  • 文章内に配置したリンクのクリック率など

これらのデータを応用して、配信する曜日や時間を変更したり、タイトルを変えたり、リストを整理したりしながら、最も効果が高い方法をテストしていきます。。

9.メルマガの自動化ができていない

メールマーケティングにおける自動化とは、特定のツールを使ったり、トリガーメール(顧客の特定の行動に対して送るメール)など、色々な意味があります。

しかし、個人ビジネスオーナーにとって、ツールの活用やトリガーメールの適応はハードルが高いため、まずは「ステップメールの活用」から始めましょう。

ステップメールのよくあるケースとしては、ブログにアクセスしてくれた方に、もっと有益な情報をお伝えする「〇〇メール講座」といった形での活用です。

メール講座に登録してくれた方には、1週間のメール講座を自動で送信し、読者の教育を促す・・・といったイメージですね。

他にも特定のプロモーションを行う際に、リストの中から興味のある人だけにステップメールをお送りして、商品・サービスの販売を行うこともあります。

ステップメールを作るだけで、リスト獲得〜セールスまで自動化できるのですが、

  • コンセプトが曖昧でステップメールの登録に繋がっていない。
  • ステップメールから次のアクションに繋がる動線が無い。
  • そもそもステップメールを作っていない。

という方もよく見かけます。

具体的な対策は?

ステップメールを作っていない方には「うまく作れない」という理由の他にも「作っている暇がない」という方も多いです。

まずは短くても良いので、ステップメールを作ることから始めましょう。

↓どんどん売れるステップメールの書き方を事例付きで解説します。

個人ビジネスで売れるステップメールのシナリオ&例文を徹底解説!

10.規則や法律が守られていない

メルマガを配信する上では「特定電子メール法」などの法律が定められています。

参考:総務省「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律のポイント」

また、GoogleとYahoo!においては、メール送信者のガイドライン変更(2024年2月〜)がありました。

重要: Gmail では 2024 年 2 月以降、Gmail アカウントに 1 日あたり 5,000 件以上のメールを送信する送信者に対し、送信メールを認証すること、未承諾のメールまたは迷惑メールを送信しないようにすること、受信者がメールの配信登録を容易に解除できるようにすることが義務付けられます。

Google「メール送信者のガイドライン」

簡単に言うと「今後、送信ドメイン認証に対応していないメールは受け取らない」という内容になっています。

このように、ビジネスにおいてメールを扱う場合には、様々なルールを理解し適応させる必要があります。

企業であれば、最新の注意を払うポイントではありますが、個人ビジネスを行う人の中には「ルールを理解していない・知らない」という方が一定数います。

具体的な対策は?

ビジネスを行う際には、特定電子メール法はもちろん、特定商取引法や個人情報の保護に関する法律を理解し、然るべき対応をしていきましょう。

特に個人ビジネスオーナーは、こういったルールをしっかり守ることが、新たな仕事獲得につながったり、お客さんに安心してもらえる要因となります。

メールマーケティングで売れるメルマガを作る!

今回は「メールマーケティングでやりがちな失敗とその対策」について、具体的な方法をご紹介しました。

最後に、メールマーケティングを成功させるチェックリストをまとめておきますので、あなたの環境に合わせて調整してみてください。

メールマーケティングを成功させるチェックリスト
  1. メルマガは読者一人ひとりに合わせたメッセージになっているか?
  2. 読者の興味を引くタイトルになっているか?
  3. スマホでの読みやすさが考慮されているか?
  4. 記事内で明確な行動が促されているか?
  5. リストは適切に管理されているか?
  6. 事前にテスト送信の実施がされているか?
  7. メルマガの定期配信日は設定されているか?
  8. 配信後の分析が実施されているか?
  9. ステップメールなどの自動化が出来ているか?
  10. 法規制は遵守できているか?
岩下

これらのポイントを活用して、今一度自身のメールマーケティング戦略を見直し、読者との効果的なコミュニケーションとブランドイメージの構築を目指しましょう。

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