本記事では、セルフコーチングを使って理想の働き方を見つける、看護師のキャリアアップ実践ガイドをお伝えします。
- セルフコーチングの基礎と自己分析の重要性
- 看護師のキャリアアップ7つの選択肢
- セルフコーチングで描く理想のキャリアビジョン
- タイプ別キャリア戦略
- 今日から始める具体的なアクションプラン
夜勤明けの帰り道、ふと考える。
「この仕事、10年後も続けているのかな?」
「もっと自分に合った働き方があるんじゃないか?」
「子どもが大きくなったら、何か新しいことを始めたい」
看護師として5年、10年と経験を積むにつれ、こんな思いが湧いてくるのは、決して珍しいことではありません。
むしろ、それは「成長したい」というサインです。
キャリアアップと聞くと、「認定看護師を取る」「管理職になる」といった道が思い浮かびますが、実はそれだけではありません。
あなたの性格、価値観、ライフステージに合わせた、様々なキャリアの選択肢があります。
ただし、ここで重要なのは、闇雲に資格を取ったり、他人の成功例を真似したりすることではありません。
まず必要なのは、「自分を知る」ことです。
この記事を読み終える頃には、自分の本当にやりたいことが見えてくるでしょう。
目次
なぜ今、看護師にセルフコーチングが必要なのか
「キャリアアップしたい」と思った時、多くの看護師がまず考えるのは「どんな資格を取ろうか」「どこに転職しようか」といった「手段」だと思います。
しかし、その前に立ち止まって考えるべきことがあります。
それが「自己理解」です。
キャリアアップの前に「自己理解」が不可欠な理由
「とりあえず資格」で失敗するパターン
「周りが認定看護師を取っているから、私も取ろう」 「給料が上がるらしいから、専門看護師を目指そう」
こんな動機で資格取得を目指す看護師は少なくありません。
しかし、実際に資格を取得した後、こんな悩みを抱える人がいます。
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「資格は取ったけど、やりがいを感じない」
「想像していた働き方と違った」
「結局、活かせる場がない」
なぜこうなるのでしょうか?
それは、自分に合っているかどうかを確認せずに、「手段」から入ってしまったからです。
資格取得には、時間もお金も、そして何より大きなエネルギーが必要です。
半年から2年、場合によってはそれ以上の期間、勉強や実習に取り組まなければなりません。
子育て中であれば、家族の協力も不可欠ですよね。
だからこそ、「本当に自分がやりたいことなのか」「自分の強みを活かせるのか」を先に確認することが重要なのです。
他人の成功例に惑わされるリスク
最近は一度SNSを見れば、キラキラと輝く看護師の成功事例が溢れていますよね。
「私は訪問看護ステーションを開業して、年収○○万円になりました」
「フリーランス看護師として、自由に働いています」
「副業で月○○万円稼いでいます」
これらの事例は確かに素晴らしいものです。
しかし、その人に合っていた方法が、あなたに合うとは限りません。
外向的で人と関わることが好きな人には、地域で多くの患者さんと関わる訪問看護が向いているかもしれません。
しかし、内向的で一人で深く考えることが好きな人には、むしろ医療ライターや研究職の方が向いているかもしれません。
大切なのは、他人の成功例ではなく、自分に合った道を見つけることです。
セルフコーチングとは何か
では、どうすれば「自分に合った道」が見つかるのでしょうか?
その答えが、セルフコーチングです。
コーチングの基本概念
コーチングとは、「答えは相手の中にある」という前提に立ち、質問を通して相手の思考を整理し、自ら答えを見つけるサポートをする手法です。
上司からの指示(ティーチング)や、カウンセラーからのアドバイス(カウンセリング)とは異なり、コーチングでは「正解」を教えません。
なぜなら、その人にとっての最適な答えは、その人の中にしかないからです。
セルフコーチングとは
セルフコーチングは、このコーチングの手法を自分自身に対して使うことです。
つまり、自分で自分に質問を投げかけ、自分の中から答えを引き出す技術です。
「え、自分で自分にコーチングなんてできるの?」と思うかもしれませんが、実は、適切な質問さえ用意すれば、誰でもできるのです。
このセルフコーチングの最大の利点は、いつでも、どこでも、無料で、何度でもできることです。
外部のコーチに依頼すれば、1時間で数万円かかることもあります。
しかし、セルフコーチングなら、紙とペンさえあれば、今すぐ始められます。

自分自身に対してコーチングでできるようになると、コミュニケーションツールとして仕事にも活かせるようになります。
看護師がセルフコーチングを学ぶメリット
セルフコーチングを身につけると、キャリア選択だけでなく、看護師としての日々の仕事にも大きなメリットがあります。
1. 自分の強み・弱みが明確になる
「自分の強みは何ですか?」と聞かれて、即答できる看護師は多くありません。
しかし、セルフコーチングを通して自己分析をすると、自分では当たり前だと思っていたことが、実は強みだったと気づくことがあります。
たとえば、「患者さんの小さな変化に気づく」「記録を正確に書く」「後輩の相談に乗るのが好き」といったことは、すべて強みです。
2. 本当にやりたいことが見えてくる
日々の忙しさに追われていると、「自分が本当にやりたいことは何か」を考える時間がありません。
セルフコーチングは、立ち止まって自分と向き合う時間を作ります。
その結果、「実は、ずっと緩和ケアに興味があった」「子育てと両立できる働き方を探していた」といった、心の奥底にあった思いに気づけます。
3. 感情に流されず、冷静な判断ができる
看護師の仕事は感情的になりやすい場面も多くあります。
患者さんの死、スタッフとの人間関係、上司からの理不尽な指示…。
セルフコーチングを習慣にすると、感情と事実を分けて考える力がつきます。
「今、私は怒っている。でも、本当の問題は何だろう?」と冷静に分析できるようになります。
4. 患者さんやスタッフとのコミュニケーションにも応用できる
コーチングの質問技術は、患者さんやスタッフとの会話にも応用できます。
「どうしたいですか?」「何が一番心配ですか?」といった質問は、相手の本音を引き出し、より良いケアやチーム運営につながります。
このように、セルフコーチングは、キャリアアップだけでなく、看護師としての総合的な力を高めるツールなのです。
看護師のキャリアアップ7つの選択肢
では自己理解の重要性を確認したところで、次は看護師のキャリアアップにどんな選択肢があるのか?4つの視点からを見ていきましょう。
1.専門性を高める道
看護師としてキャリアアップを考える際に、まず思いつくのは「看護師としてのスキル・専門性を高める」という視点ではないでしょうか?
具体的には、以下のような方法が考えられるでしょう。
認定看護師・専門看護師
これは最もオーソドックスなキャリアアップの道かもしれません。
特定の分野で高度な知識と技術を身につけ、患者さんへのケアの質を高めます。
認定看護師の分野は、感染管理、緩和ケア、皮膚・排泄ケア、救急看護など多岐にわたります。
専門看護師は、がん看護、精神看護、母性看護など、より広い視野での実践が求められます。
メリット:
- 専門性が高まり、スキルアップできる
- 給与アップや手当がつく場合が多い
- 転職に有利になる
- 院内外での講師や相談役として活躍できる
必要なもの:
- 実務経験(5年以上など、分野により異なる)
- 教育機関での研修(6ヶ月〜2年)
- 試験合格
- 時間とお金(受講料、交通費、生活費など)
向いている人:
- その分野に本当に情熱がある
- 専門性を追求したい
- 学ぶことが好き
- 長期的な視点でキャリアを考えている
特定行為研修修了者
医師の指示なしで特定の医療行為(気管カニューレの交換、褥瘡の壊死組織の除去など)を行えるようになります。
メリット:
- できることの幅が広がる
- 在宅医療や僻地医療で特に需要が高い
- チーム医療での役割が拡大
向いている人:
- 医療行為そのものに興味がある
- 在宅医療や訪問看護に興味がある
- スキルアップしたい
<参考>
日本看護協会:認定看護師とは
日本看護協会:特定行為研修を修了した認定看護師の活動
2.管理職・教育職への道
2つ目は「組織内での存在価値を高める」という視点です。
スキル向上云々よりチームで働くことが好きな人、人を育てることが好きな人はこの道が向いているかもしれません。
看護師長・看護部長
織内でチームをまとめ、病棟や部署の運営を担います。
スタッフの育成、業務改善、予算管理など、幅広い役割があります。
メリット:
- 給与アップ(師長で年収600万円以上、部長でそれ以上も)
- キャリアの安定
- 組織を動かす経験
- より広い視野での仕事
向いている人:
- リーダーシップがある
- 組織改善に興味がある
- 人を育てることが好き
- 責任感が強い
看護教員・実習指導者
看護学校や大学で、次世代の看護師を育てます。
実習指導者は、病院で学生の実習をサポートします。
メリット:
- 教えることのやりがい
- 夜勤がない(教員の場合)
- 学生の成長を見守る喜び
- 自分自身も学び続けられる
向いている人:
- 人を育てることが好き
- 教えることが得意
- 理論と実践をつなげられる
- 忍耐強い
3.転職でキャリアアップ
3つ目は「環境を変える」という視点です。
少し勇気のいる選択かもしれませんが、その分、うまく行った時の恩恵は大きいです。
診療科・施設の変更
これは例えば「急性期から慢性期へ、病院からクリニックへ」といった転職ですね。
経験の幅を広げ、新しい視点を得られます。
メリット:
- 経験の幅が広がる
- 自分に合った環境が見つかる
- 新しい刺激と学び
- 人間関係をリセットできる
向いている人:
- 変化を楽しめる
- 新しい学びが好き
- 環境を変えたい
- 適応力がある
企業への転職
例えば、治験コーディネーター(CRC)、産業看護師、医療機器メーカー、製薬会社など、病院以外で看護師資格を活かす道です。
メリット:
- 夜勤がない
- 土日休み
- 規則的な生活
- 病院とは異なる視点
向いている人:
- 規則的な生活がしたい
- 企業文化に興味がある
- データや論理的思考が得意
- 新しい環境に適応できる
4.副業・起業でキャリアアップ
4つ目は「自分の力で稼ぐ」という視点です。
一昔前なら、看護師さんが活躍できる起業の選択肢は多くはありませんでした。
しかし、現代はSNSがあれば、いつでもどこでも起業ができる時代です。
副業であれば、本業の収入を残したまま、大きなリスクを取ることなく始めることができます。
副業から始める
医療ライター、オンライン健康相談、セミナー講師、SNS発信など、病院勤務を続けながら新しいチャレンジができます。
メリット:
- リスクを抑えて新しいことに挑戦
- 収入源が増える
- スキルの幅が広がる
- 将来の独立準備になる
向いている人:
- 新しいことを試したい
- 収入を増やしたい
- 時間管理ができる
- 学び続けられる
↓看護師さんの正しい副業のはじめかた
独立・起業
訪問看護ステーション、健康サロン、オンライン事業など、自分のビジネスを立ち上げます。
メリット:
- 自分らしい働き方ができる
- 時間と場所の自由度が高い
- 収入の上限がない
- やりがいが大きい
向いている人:
- 自由に働きたい
- ビジネスに興味がある
- リスクを取れる
- 継続的に学べる
↓起業したい看護師さんのための「プチ起業アイデア」をまとめました。
このように、看護師のキャリアアップには多様な選択肢があります。
では、この中から自分に合った道をどう選べばいいのでしょうか?
ここで使えるのが冒頭でお伝えした「セルフコーチング」です。
次のセクションで、セルフコーチングを使った選び方を見ていきましょう。
セルフコーチングで描く理想のキャリアビジョン
進むべき道のりが少しでも見えてきたら、ここからが本題です。
情報を集めるだけでは意味がありません。
現代の情報量に惑わされないよう、セルフコーチングを使って、あなたの理想のキャリアを明確にしていきましょう。
是非、紙とペンを用意してください。
スマホのメモアプリでも構いませんが、手書きの方が思考が整理されやすいのでおすすめです。
ステップ1:現在地を知る(自己分析)
まずは、今のあなた自身を客観的に見つめます。
これからいくつかの質問をしますので、自分に正直に答えてください。
強力な質問1:これまでのキャリアの棚卸し
次の質問に、正直に答えてください。
正解はありません。思いつくままに書き出しましょう。
質問A:これまでで最も充実していた仕事は何ですか?それはなぜですか?
質問B:逆に、最も辛かった仕事は何ですか?それはなぜですか?
質問C:患者さんやスタッフから感謝された経験は?
これらの答えから、あなたが喜びを感じる瞬間と苦痛を感じる瞬間が見えてきます。
強力な質問2:自分の強み・弱みを知る
質問D:同僚から「あなたの強みは○○だね」と言われることは何ですか?
自分では当たり前だと思っていることが、実は強みです。
質問E:逆に、苦手だと感じることは何ですか?
弱みを認めることは、恥ずかしいことではありません。
弱みを知ることで、それを補う方法や、弱みが問題にならない環境を選ぶことができます。
質問F:無意識にやっていることで、他の人が苦手としていることは何ですか?
これは、隠れた強みです。
あなたにとって簡単なことが、他の人にとっては難しいことがあります。
ここで、エゴグラムやMBTIの診断結果も参考にすると、より深い自己理解につながります。(エゴグラムやMBTIについては、記事後半を参考にしてください)
↓もっと詳しく自己分析をしたい!と思ったらコチラをご覧ください。
ステップ2:価値観を明確にする
現在地を確認したら、次は「あなたが人生で大切にしたいこと」を明確にします。
これが、キャリア選択の軸になります。
強力な質問3:人生で大切にしたいことは?
質問G:仕事において、何を一番大切にしたいですか?
以下の中から、自分にとって重要なものを選んでください。複数選んでも構いません。
- 収入(経済的な安定や豊かさ)
- やりがい(仕事を通じた達成感や貢献)
- 自由(時間や場所の自由、自分で決められること)
- 安定(雇用の安定、予測可能な生活)
- 成長(スキルアップ、学び続けること)
- 人間関係(良い仲間、温かい職場)
- 社会貢献(社会や患者さんの役に立つこと)
- ワークライフバランス(家族との時間、プライベートの充実)
- 承認(評価される、感謝されること)
- 専門性(その道のプロになること)
選んだら、それに優先順位をつけてください。
「すべて大切」と思うかもしれませんが、実際には優先順位があります。
たとえば、「収入」を最優先するなら、管理職や夜勤の多い職場、または副業・起業が選択肢になります。
「ワークライフバランス」を最優先するなら、日勤のみのクリニックや、企業看護師が選択肢になるでしょう。
質問H:10年後、どんな生活をしていたいですか?
仕事だけでなく、プライベートも含めて想像してください。
具体的であればあるほど、目指す方向が明確になります。
質問I:子育てや家族との時間をどう考えていますか?
特に子育て中の看護師にとって、これは重要な質問です。
家族との時間とキャリアは、必ずしも相反するものではありません。
両立できる方法を探すことが大切です。
強力な質問4:妥協できないことは?
質問J:絶対に譲れない条件は何ですか?
これらは「Must(必須条件)」です。
質問K:逆に、これは妥協してもいいと思えることは何ですか?
これらは「Want(希望条件)」です。
MustとWantを明確に分けることで、キャリア選択の基準がはっきりします。
すべての条件を満たす完璧な仕事はありません。
何を優先し、何を妥協するかを決めることが、現実的なキャリア選択につながります。
↓より詳しい価値観を知りたい場合はコチラをご覧ください。
ステップ3:理想の未来を描く
価値観が明確になったら、次は理想の未来を具体的に描きます。
強力な質問5:10年後の理想の姿
目を閉じて、10年後の自分を想像してください。
ここはできるだけ具体的に書きましょう。
質問L:10年後、あなたはどんな仕事をしていますか?
質問M:どこで、誰と、どんな働き方をしていますか?
質問N:年収はどれくらいですか?
具体的な数字を出してください。
「今より少し多め」ではなく、「年収600万円」「月収50万円」といった具体的な金額です。
質問O:周りからどんな存在として見られていますか?
できれば、朝起きてから夜寝るまでの1日を想像してください。
「朝7時に起床。子どもと朝食を取り、学校に送り出す。9時から自宅で仕事開始。オンラインで相談者とセッション。12時にランチ休憩。午後は記事執筆。15時には仕事終了。子どものお迎えに行き、一緒に公園で遊ぶ。夜は家族で夕食。子どもを寝かしつけた後、自分の時間を楽しむ」
このように具体的に描くことで、「これは本当に自分が望んでいることか」が見えてきます。
強力な質問6:そのために必要なものは?
理想の未来が描けたら、次は「今の自分に何が足りないか」を確認します。
質問P:その理想を実現するために、今の自分に足りないものは何ですか?
質問Q:どんなスキル、知識、経験が必要ですか?
具体的にリストアップしてください。
質問R:どんな人とつながる必要がありますか?
人とのつながりは、キャリアアップにおいて非常に重要です。
↓人と繋がることが苦手な人は、必ずこれを読んでおいてください。
ステップ4:ギャップを埋める戦略を立てる
現在地と理想のギャップを確認
ステップ1で確認した「現在地」と、ステップ3で描いた「理想の未来」。
この2つの間に、どれくらいのギャップがありますか?
大きなギャップがあるように感じても、心配は要りません。
そのギャップを埋めるための道筋を、これから考えていきます。
3年後、5年後、10年後のマイルストーン
10年後の理想から逆算して、途中のマイルストーン(目標地点)を設定します。
たとえば、「10年後に訪問看護ステーションを経営している」という理想があるなら、
10年後:訪問看護ステーション経営、スタッフ5名、安定経営
5年後:訪問看護ステーションを開業、スタッフ2名と共に運営
3年後:訪問看護ステーションで訪問看護師として経験を積む、経営の勉強を始める
1年後:訪問看護ステーションへ転職、または副業として訪問看護を始める
今日から3ヶ月:訪問看護について情報収集、見学や体験に行く、必要な研修を調べる
このように逆算することで、「今、何をすべきか」が見えてきます。
ステップ5:最初の一歩を決める
強力な質問7:今日からできることは?
「10年後の理想」を考えると、途方もなく遠く感じるかもしれません。
しかし、どんな大きな目標も、小さな一歩から始まります。
質問S:理想に近づくために、今日からできることは何ですか?
質問T:1ヶ月以内にできることは何ですか?
質問U:3ヶ月以内にできることは何ですか?
これらを紙に書き出し、カレンダーに予定を入れてください。
「いつかやろう」では、永遠にやりません。「○月○日にやる」と決めることが重要です。
行動を妨げる思い込みを外す
ここまで考えて、「でも、やっぱり無理かも…」と思った方もいるかもしれません。
その時は、次の質問を自分に投げかけてください。
「今は忙しいから無理」→本当に?
確かに忙しいかもしれません。でも、1日30分も時間が取れませんか?通勤時間、休憩時間、寝る前の時間。探せば、必ずあります。
「お金がないから無理」→本当に?
確かに、資格取得にはお金がかかります。
でも、副業を始めるのに大きなお金は必要ありません。
情報収集も、見学も、多くは無料です。
「家族が反対するから無理」→本当に話しましたか?
もしかしたら、あなたが思っているほど、家族は反対しないかもしれません。
まずは正直に話してみましょう。
「私はこうしたい。協力してもらえないか」と。
多くの場合、私たちを止めているのは外的な障害ではなく、自分の中の思い込みです。
その思い込みに気づき、外すことが、最初の一歩です。

これらの質問に答えるだけでも、かなりビジョンが明確になったのではないでしょうか?
タイプ別キャリアアップ戦略
ここまでのセルフコーチングで、あなたの現在地、価値観、理想の未来が明確になったと思います。
次は、あなたの性格タイプに合わせた、より具体的なキャリア戦略を見ていきましょう。
エゴグラムタイプ別のおすすめキャリア
エゴグラムで自分のタイプを知っている方は、そのタイプに合ったキャリア戦略を参考にしてください。
↓エゴグラムについてはこちらを参考にしてください。
CP(厳格な親)が高いタイプ
向いているキャリア:
- 管理職(看護師長、看護部長)
- 教育職(看護教員、実習指導者)
- 認定看護師(感染管理、医療安全など)
- 起業(しっかりとした経営ができる)
戦略: あなたの責任感とリーダーシップは大きな強みです。ただし、完璧主義が強すぎると、自分を追い込んでしまいます。「80点でOK」と自分を許す練習をしながら、管理職や教育職を目指しましょう。
NP(養育的な親)が高いタイプ
向いているキャリア:
- 訪問看護
- 緩和ケア
- オンライン健康相談
- 看護師向けコーチング
- カウンセリング
戦略: あなたの共感力と献身性は、患者さんに深く寄り添う仕事で輝きます。ただし、自己犠牲になりやすいので、副業や起業を考える際は、「無料奉仕」にならない価格設定を意識しましょう。あなたの時間と知識には価値があります。
A(合理的な大人)が高いタイプ
向いているキャリア:
- 治験コーディネーター
- 医療ライター
- 専門看護師
- データ分析
- 研究職
戦略: あなたの論理性と客観性は、エビデンスベースの仕事で力を発揮します。感情的なケアは苦手かもしれませんが、それを補う形で、データや論理で貢献できる分野を選びましょう。
FC(自由な子供)が高いタイプ
向いているキャリア:
- 起業(最も向いている)
- 副業
- プロジェクト推進
- SNS発信
- セミナー講師
戦略: あなたの創造性と行動力は、起業に最適です。ただし、計画性や継続性を補完する仕組みが必要です。スケジュール管理ツールや会計ソフトを活用し、苦手な部分は外注することも検討しましょう。
AC(順応した子供)が高いタイプ
向いているキャリア:
- 専門性を高める(認定看護師など)
- 在宅ワーク(医療ライター)
- 副業から小さく始める
戦略: あなたは安定を好むタイプです。いきなり大きな変化は不安なので、まずは副業から小さく始めましょう。また、自己主張の練習も重要です。「これは嫌です」「これだけの報酬が必要です」と言える練習をしましょう。
MBTIタイプ別のおすすめキャリア
MBTIで自分のタイプを知っている方は、こちらも参考にしてください。
↓MBTIについてはこちらをご覧ください。
I型(内向型)のキャリア戦略
内向型のあなたは、深く考え、一人の時間でエネルギーを充電します。
おすすめキャリア:
- 専門性を深める(認定看護師、専門看護師)
- 在宅ワーク(医療ライター、データ入力)
- 少人数との関わりが中心の仕事(訪問看護、カウンセリング)
戦略: 大勢の前で話すセミナー講師よりも、1対1の相談業務や、文章での発信の方が向いています。起業する場合も、SNSでの大量発信よりも、少数の顧客と深く関わるビジネスモデルを選びましょう。
E型(外向型)のキャリア戦略
外向型のあなたは、人と関わることでエネルギーが湧きます。
おすすめキャリア:
- 地域医療
- 教育(看護教員、セミナー講師)
- 起業(多くの人と関わるビジネス)
- リーダー職
戦略: 人と関わる仕事で力を発揮します。セミナー講師、コミュニティ運営、イベント企画など、人とのつながりを活かせる分野を選びましょう。ネットワークを広げることが、キャリアアップの鍵です。
NF型(理想主義・共感型)のキャリア戦略
おすすめキャリア:
- 緩和ケア
- カウンセリング
- コーチング
- 価値観を大切にする起業
戦略: あなたは「意味」を大切にします。単に収入を得るだけでなく、「この仕事は社会に貢献している」「患者さんの人生を豊かにしている」と感じられる仕事を選びましょう。
NT型(論理・分析型)のキャリア戦略
おすすめキャリア:
- 研究職
- データ分析
- 戦略立案
- コンサルティング
戦略: あなたの論理性と分析力を活かせる分野を選びましょう。感情的なケアは苦手かもしれませんが、エビデンスや戦略で貢献できる道があります。
今日から始めるキャリアアップのアクションプラン
ここまで進んできたら、残りは後少し!
セルフコーチングで理想のキャリアが見えてきたら、次は具体的な行動です。
ここでは、期間別のアクションプランをご紹介します。
短期アクション(1〜3ヶ月)
情報収集
まずは、興味のある分野について、徹底的に情報を集めましょう。
- 認定看護師に興味があるなら、日本看護協会のウェブサイトで詳細を確認
- 訪問看護に興味があるなら、近くの訪問看護ステーションのウェブサイトを見る
- 医療ライターに興味があるなら、実際の医療ライターのブログやSNSをフォロー
小さな実験
いきなり大きな決断をするのではなく、まずは「小さな実験」をしてみましょう。
- 副業に興味があるなら、無料のnoteやブログで発信してみる
- 転職に興味があるなら、転職サイトに登録して求人情報を見てみる
- 資格取得を考えているなら、参考書を1冊買って読んでみる
この段階では、「続けられるか」「本当に好きか」を確認することが目的です。
人に話す
あなたの考えを、信頼できる人に話してみましょう。
- 家族に「こういうキャリアを考えているんだけど」と相談
- 同僚に「○○に興味があるんだけど、知っている人いる?」と聞く
- SNSで「○○を始めたいと思っています」と宣言
人に話すことで、思考が整理され、また思わぬ情報やつながりが得られることもあります。
中期アクション(3〜12ヶ月)
スキル習得
必要なスキルを身につけるための行動を始めます。
- 認定看護師を目指すなら、受験要件を確認し、不足している実務経験を積む
- 医療ライターになりたいなら、オンライン講座を受講する
- 起業を考えているなら、ビジネスの基礎を学ぶ
↓看護師さんが起業して収益を得るまでの道のりを「15ステップ」でまとめました。
小さく始める
副業や起業に興味がある場合、この段階で実際に始めてみましょう。
- 医療ライターとして、クラウドソーシングで1本記事を書く
- オンライン健康相談を、友人や知人に無料で提供してみる
- セミナー講師として、小規模な勉強会を開催してみる
最初から完璧を目指す必要はありません。「小さく始めて、改善を重ねる」ことが大切です。
↓看護師さんが経験ゼロから「ライター」になる方法
ネットワーク構築
同じ目標を持つ仲間や、メンターを見つけましょう。
- オンラインコミュニティに参加する
- セミナーや勉強会に参加し、名刺交換をする
- SNSで同じ分野の人をフォローし、交流する
人とのつながりは、情報、機会、励ましをもたらしてくれます。
長期アクション(1〜3年)
本格的な行動
ここまでの準備を経て、いよいよ本格的な行動に移ります。
- 資格取得のための教育機関に入学する
- 転職先を決めて、実際に転職する
- 起業の準備を整え、開業する
この段階では、もう迷いはないはずです。
これまでの小さな実験と準備があるからこそ、自信を持って踏み出せます。
継続的な成長
キャリアアップは、一度達成したら終わりではありません。
継続的に成長し続けることが重要です。
- 定期的に振り返り、必要に応じて軌道修正する
- 新しい挑戦を続ける
- セルフコーチングを習慣化し、常に自分と対話する
挫折しないための工夫
キャリアアップの道のりは、決して平坦ではありません。
最後に、挫折しそうになった時のために、次のことを覚えておいてください。
完璧を求めない
「80点でOK」の精神を持ちましょう。
最初から完璧にできる人はいません。
小さな成功を積み重ねることが、大きな成功につながります。
一人で抱え込まない
辛い時、迷った時は、一人で抱え込まず、誰かに相談しましょう。
- 家族や信頼できる友人に相談する
- 同じ目標を持つ仲間に相談する
- 専門家(キャリアカウンセラー、コーチ)のサポートを受ける
外部のコーチングを受けることも、大きな助けになります。
自分では気づかない視点を得られ、行動が加速します。
柔軟に軌道修正
途中で「やっぱり違うかも」と思ったら、方向転換してもOKです。
それは「失敗」ではなく、「学び」です。
多くの成功者は、最初の計画通りには進んでいません。
試行錯誤を重ねながら、自分に合った道を見つけています。
まとめ
ここまでお疲れ様でした!
看護師のキャリアアップは、「資格を取る」「管理職になる」だけではありません。
あなたの性格、価値観、ライフステージに合わせた、様々な選択肢があります。
大切なのは、まずセルフコーチングを使って自己理解を深めることです。
自分の強み、価値観、理想の未来を明確にすることで、本当にやりたいキャリアが見えてきます。
そして、小さな一歩から始めることです。
完璧を求めず、柔軟に軌道修正しながら、理想のキャリアを実現していきましょう。
この記事で紹介したセルフコーチングの質問は、何度でも繰り返し使えます。
半年に一度、1年に一度、自分と向き合う時間を作り、キャリアを見直してみてください。
あなたの理想のキャリアは、必ず実現できます。今日が、その最初の一歩です。