この記事では、MBTIの「心理機能」の仕組みを、看護師さん向けにわかりやすく解説します。
- MBTIの基本構造
- 認知機能とは何か?
- 主機能・補助機能(機能スタック)とは何か?
- 各タイプの機能スタック
このブログでは、MBTIの各タイプの特徴と働き方を解説してきました。
その中で、もしかすると
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- 「主機能Ne」ってどういう意味?
- 「補助機能Fi」って何が補助なの?
- 「認知機能」って何?
といった、専門用語に疑問を持った方も多いかもしれません。
今回は、タイプの特徴から少し踏み込んで、MBTIの仕組みについて解説をします。
MBTIについて、より理解を深めたいという場合は、是非続きを読んでください。
目次
MBTIの仕組みを理解すると何が変わるのか?
MBTIは、ただの「性格診断」ではありません。
その背景には、カール・ユングの「心理学的類型論」をベースにした、深い理論があります。
この理論を理解すると、
- なぜ自分がこのような行動をとるのか?が分かる
- どんな場面で力を発揮しやすいか?が分かる
- なぜ特定の状況でストレスを感じるのか?が分かる
- 他のタイプとの違いが明確になる
- 自分に合った働き方が見つかる
ようになります。
もっと具体的にすると、例えば
- INFP看護師が「理想と現実のギャップ」に苦しむのは、主機能Fiが「自分の価値観」を重視するから
- ENFP看護師が「アイデアは浮かぶけど続かない」のは、主機能Neが「可能性の探索」を優先するから
といったことが、理論的に理解できるようになります。
↓まだ自分のタイプを知らない場合は、こちらで簡易診断ができます。
それでは、早速MBTIの仕組みを順番に見ていきましょう。
MBTIの基本構造:4文字の意味を理解する
まず、MBTIの基本的な構造を確認しましょう。
MBTIは、4つの指標の組み合わせで、16タイプに分類されます。
① E(外向)/ I(内向):エネルギーの方向

この指標は、「どこからエネルギーを得るか?」を表します。
| 方向 | 特徴 |
|---|---|
| E(外向) | 外の世界からエネルギーを得る、人と関わることで元気になる、話しながら考える |
| I(内向) | 内の世界からエネルギーを得る、一人の時間で回復する、考えてから話す |
看護現場での見え方:E型は「患者さんと話すと元気になる」、I型は「勤務後に一人の時間が必要」
② S(感覚)/ N(直観):情報の受け取り方

この指標は、「どのように情報を受け取るか?」を表します。
| 受け取り方 | 特徴 |
|---|---|
| S(感覚) | 五感で得られる具体的な情報を重視、「今ここ」にある事実を見る、手順やマニュアルを好む |
| N(直観) | 可能性やパターンを重視、「将来」や「意味」を見る、創造的なアイデアを好む |
看護現場での見え方:S型は「手順通りに確実にケア」、N型は「こうしたらどうだろう?と創造的なケア」
③ T(思考)/ F(感情):判断の基準

この指標は、「どのように意思決定するか?」を表します。
| 判断基準 | 特徴 |
|---|---|
| T(思考) | 論理と客観性を重視、「正しいか?」で判断、公平性を好む |
| F(感情) | 価値観と調和を重視、「大切か?」で判断、人間関係を好む |
看護現場での見え方:
T型は「効率的で合理的なケア」、F型は「患者さんの気持ちに寄り添うケア」
④ J(判断)/ P(知覚):外界への接し方

この指標は、「どのように外の世界と関わるか?」を表します。
| 接し方 | 特徴 |
|---|---|
| J(判断) | 計画的で秩序を好む、決断してから行動する、期限を守ることを重視 |
| P(知覚) | 柔軟で臨機応変を好む、行動しながら決める、変化を楽しむ |
看護現場での見え方:
J型は「計画通りに業務を進める」、P型は「予想外の事態に柔軟に対応」
4文字の組み合わせで16タイプが決まる
この4つの指標の組み合わせで、16のタイプが決まります。
例えば、
- INFP=内向(I)+ 直観(N)+ 感情(F)+ 知覚(P)
- ENFP=外向(E)+ 直観(N)+ 感情(F)+ 知覚(P)
- ESTJ=外向(E)+ 感覚(S)+ 思考(T)+ 判断(J)
といった具合です。
しかし、MBTIの本当の深さは、この4文字の組み合わせだけでは説明できません。
次は、MBTIの核心である「認知機能」について見ていきましょう。

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📖 感情コントロール法を見る認知機能とは?MBTIの核心を理解する
MBTIの4文字(E/I、S/N、T/F、J/P)は、表面的な行動傾向を表しています。
しかし、MBTIの本当の深さは、「認知機能」という概念にあります。
人間が情報を受け取り、処理し、判断する「心の働き方」のこと。MBTIでは、この認知機能が8種類あるとされています。
4つの基本機能と「外向き・内向き」
認知機能は、次の4つの基本機能から成り立ちます。
- 直観(N)=可能性やパターンを見る
- 感覚(S)=具体的な事実を見る
- 思考(T)=論理で判断する
- 感情(F)=価値観で判断する
そして、それぞれが「外向き(e)」または「内向き(i)」に働きます。
- 外向き(e)=外の世界に向けて働く
→ 行動的、表現的、拡散的 - 内向き(i)=内の世界に向けて働く
→ 内省的、深化的、集中的
この組み合わせで、8つの認知機能ができあがります。
8つの認知機能一覧
【直観(N)系の機能】
外の世界から可能性を見つける力
- 「こうしたらどうだろう?」と次々アイデアが浮かぶ
- 複数の選択肢を同時に考える
- 変化や新しいことを楽しむ
看護現場:「別の方法を試してみましょう」と創造的なケアを提案
主機能タイプ:ENFP、ENTP
内側で本質やパターンを見抜く力
- 物事の本質を深く洞察する
- 「この先どうなるか」を予測する
- ひとつの答えに収束させる
看護現場:「この患者さんの本当の問題はここだ」と本質を見抜く
主機能タイプ:INFJ、INTJ
【感覚(S)系の機能】
今この瞬間の現実を五感で捉える力
- 「今ここ」にある情報を素早く察知
- 身体感覚が鋭い
- 臨機応変な対応が得意
看護現場:患者の表情や仕草の変化を瞬時に察知して対応
主機能タイプ:ESTP、ESFP
過去の経験やデータを蓄積し活用する力
- 「前はこうだった」と経験から学ぶ
- 正確で丁寧な作業が得意
- 手順やルーティンを重視
看護現場:過去の症例から学び、確実で丁寧なケアを提供
主機能タイプ:ISTJ、ISFJ
【思考(T)系の機能】
効率的に物事を組織化し実行する力
- 「どうすれば効率的か?」を考える
- システムや仕組みを作る
- 目標達成に向けて計画的に動く
看護現場:業務を効率化し、チーム全体の生産性を上げる
主機能タイプ:ESTJ、ENTJ
論理的に分析し理解する力
- 「なぜそうなるのか?」を深く考える
- 矛盾を見つけて修正する
- 独自の理論を構築する
看護現場:「なぜこのケアが必要なのか?」を論理的に理解し説明
主機能タイプ:ISTP、INTP
【感情(F)系の機能】
場の調和を作り、人との繋がりを大切にする力
- 「みんなが心地よく過ごせるように」を考える
- 相手の感情を察して気遣う
- 人をまとめることが得意
看護現場:チームの雰囲気を整え、患者や家族の気持ちに配慮
主機能タイプ:ESFJ、ENFJ
自分の価値観を深め、それに従って生きる力
- 「自分は何を大切にしたいか?」を考える
- 一人ひとりの個性を尊重する
- 深い共感力を持つ
看護現場:患者さんの価値観を尊重し、その人らしさを守る
主機能タイプ:ISFP、INFP
8つの認知機能まとめ
| 機能 | 働き | 主機能タイプ |
| Ne | 外から可能性を探す | ENFP、ENTP |
| Ni | 内で本質を見抜く | INFJ、INTJ |
| Se | 今を五感で捉える | ESTP、ESFP |
| Si | 過去の経験を活用 | ISTJ、ISFJ |
| Te | 効率的に組織化 | ESTJ、ENTJ |
| Ti | 論理的に分析 | ISTP、INTP |
| Fe | 場の調和を作る | ESFJ、ENFJ |
| Fi | 価値観を深める | ISFP、INFP |
次は、これらの認知機能が「どのように組み合わさるか?」を見ていきましょう。
主機能・補助機能・第三機能・劣勢機能とは?
MBTIでは、各タイプが8つの認知機能を特定の順番で使っていると考えます。
この順番を「機能スタック」と呼び、上から順に:
- 主機能(第1機能):最も得意で、自然に使う機能
- 補助機能(第2機能):主機能をサポートする機能
- 第三機能(第3機能):苦手だが成長で使えるようになる機能
- 劣勢機能(第4機能):最も苦手で、ストレス時に暴走する機能
この4つの機能が、あなたの「行動パターン」や「つまずき」を説明してくれます。
主機能(第1機能):あなたの「核」
主機能は、最も得意で、無意識に使っている機能です。
- 呼吸するように自然に使える
- これがうまく使えないと「自分らしくない」と感じる
- この機能を使っているとき、最もエネルギーが出る
- この機能を否定されると、深く傷つく
看護現場での見え方
例:INFPの主機能はFi(内向的感情)
- 「自分の価値観に合っているか?」で判断する
- マニュアル通りより「その人に合ったケア」を優先したくなる
- 「意味を感じられないルーティン」にエネルギーが出ない
例:ENFPの主機能はNe(外向的直観)
- 「こうしたらどうだろう?」とアイデアが次々浮かぶ
- 可能性を探すのが得意だが、ひとつに絞るのが苦手
- 同じことの繰り返しにエネルギーが出ない
例:ISTJの主機能はSi(内向的感覚)
- 「過去の経験から、こうすれば確実」と判断する
- 手順通りに確実にケアを提供することに安心感を感じる
- 「予想外の変化」や「ルールが曖昧な状況」にストレスを感じる
補助機能(第2機能):主機能をサポートする
補助機能は、主機能をバランスよくサポートする機能です。
- 主機能ほど自然ではないが、意識すれば使える
- 主機能の暴走を抑えるブレーキ役
- 成長とともに上手に使えるようになる
- 主機能と補助機能のバランスが取れると、人生が安定する
看護現場での見え方
例:INFPの補助機能はNe(外向的直観)
- Fi(価値観)だけだと自分の殻に閉じこもりがち
- Neを使うと「こんな可能性もあるかも」と視野が広がる
- 患者さんの回復の可能性を見つけ、希望を伝えられる
例:ENFPの補助機能はFi(内向的感情)
- Ne(可能性)だけだと手を広げすぎて続かない
- Fiを使うと「自分にとって本当に大切なこと」に絞れる
- アイデアの中から「自分の価値観に合うもの」を選べる
例:ISFJの補助機能はFe(外向的感情)
- Si(過去経験)だけだと変化を受け入れにくくなりがち
- Feを使うと「患者さんや同僚が今何を感じているか」に気づける
- 場の雰囲気を読み、チーム全体の調和を保てる
第三機能(第3機能):苦手だが成長のカギ
第三機能は、若いうちは苦手だが、成長とともに使えるようになる機能です。
- 20代までは意識しても使いにくい
- 30代以降、少しずつ使えるようになる
- 使えるようになると、人生の安定感が増す
- ストレス時には「幼稚な使い方」をしてしまうことも
看護現場での見え方
例:INFPの第三機能はSi(内向的感覚)
- 若いうちは「過去の経験を活かす」のが苦手
- 「前はこうだったから、今回もこうしよう」という判断が難しい
- 成長すると、自分の経験を体系的にまとめられるようになる
例:ENFPの第三機能はTe(外向的思考)
- 若いうちは「効率的に組織化する」のが苦手
- アイデアは浮かぶが、形にするのが難しい
- 成長すると、アイデアを具体的な計画に落とし込めるようになる
例:INFJの第三機能はTi(内向的思考)
- 若いうちは「論理的に分析する」のが苦手
- 直感(Ni)で分かっていても、論理的に説明できない
- 成長すると、自分の洞察を論理的に説明できるようになる
劣勢機能(第4機能):最も苦手で、ストレス時に暴走
劣勢機能は、最も苦手で、ストレス時に「幼稚な形」で暴走する機能です。
- 普段はほとんど使わない、使えない
- ストレス時に突然、幼稚な形で暴走する
- 「自分らしくない行動」として現れる
- 劣勢機能が暴走したら「疲れすぎのサイン」
看護現場での見え方
例:INFPの劣勢機能はTe(外向的思考)
- 普段は「効率」より「意味」を優先する
- ストレス時に突然「こうすべき!」と強引に効率化しようとする
- 「なんでみんなもっと効率的にやらないの!」と攻撃的になる
例:ENFPの劣勢機能はSi(内向的感覚)
- 普段は「今」より「未来の可能性」を見ている
- ストレス時に突然「過去の失敗」ばかり思い出す
- 「あのときああしておけば…」と後悔ループに入る
例:ESTJの劣勢機能はFi(内向的感情)
- 普段は「効率」と「論理」で判断する
- ストレス時に突然「誰も自分の気持ちを分かってくれない」と孤立感を感じる
- 感情的になり、普段の冷静さが消える
機能スタックの例:4つのタイプを比較
ここまでの内容を、4つのタイプを例にまとめてみましょう。
| 機能/タイプ | INFP | ENFP | ISTJ | ESTJ |
|---|---|---|---|---|
| 主機能 | Fi(価値観) | Ne(可能性) | Si(過去経験) | Te(効率化) |
| 補助機能 | Ne(可能性) | Fi(価値観) | Te(効率化) | Si(過去経験) |
| 第三機能 | Si(過去経験) | Te(効率化) | Fi(価値観) | Ne(可能性) |
| 劣勢機能 | Te(効率化) | Si(過去経験) | Ne(可能性) | Fi(価値観) |
ポイント:
INFPとENFPは同じ4つの機能(Fi/Ne/Si/Te)を使っていますが、順番が違うだけで、「得意なこと」も「ストレス時の暴走」もまったく違います。
同様に、ISTJとESTJも同じ機能(Si/Te/Fi/Ne)を使いますが、順番が違うため行動パターンが大きく異なります。
次は、16タイプすべての機能スタックを簡単に見ていきましょう。
各タイプの機能スタック(簡易版)
ここでは、16タイプすべての機能スタックを一覧で見ていきましょう。
これを見ると、
- 自分が「どの機能を得意としているか」
- 自分が「どの機能が苦手で、ストレス時に暴走するか」
- 他のタイプと「どこが違うのか」
が、はっきりと分かります。
NF系(理想主義者):意味と価値を大切にする
NF系は、「意味」「価値観」「人間関係」を大切にするタイプです。
| タイプ | 主機能 | 補助機能 | 第三機能 | 劣勢機能 |
|---|---|---|---|---|
| INFP | Fi(価値観) | Ne(可能性) | Si(過去経験) | Te(効率化) |
| ENFP | Ne(可能性) | Fi(価値観) | Te(効率化) | Si(過去経験) |
| INFJ | Ni(本質洞察) | Fe(場の調和) | Ti(論理分析) | Se(今この瞬間) |
| ENFJ | Fe(場の調和) | Ni(本質洞察) | Se(今この瞬間) | Ti(論理分析) |
看護現場での特徴:
患者さんの「心」に寄り添い、意味のあるケアを提供したいと考える。価値観を否定されると深く傷つく。
NT系(分析家):論理と効率を大切にする
NT系は、「論理」「効率」「問題解決」を大切にするタイプです。
| タイプ | 主機能 | 補助機能 | 第三機能 | 劣勢機能 |
|---|---|---|---|---|
| INTP | Ti(論理分析) | Ne(可能性) | Si(過去経験) | Fe(場の調和) |
| ENTP | Ne(可能性) | Ti(論理分析) | Fe(場の調和) | Si(過去経験) |
| INTJ | Ni(本質洞察) | Te(効率化) | Fi(価値観) | Se(今この瞬間) |
| ENTJ | Te(効率化) | Ni(本質洞察) | Se(今この瞬間) | Fi(価値観) |
看護現場での特徴:
効率的で合理的なケアを好む。感情より論理を優先するため、患者さんや同僚との関係で誤解されることも。
SJ系(守護者):秩序と責任を大切にする
SJ系は、「秩序」「責任」「安定」を大切にするタイプです。
| タイプ | 主機能 | 補助機能 | 第三機能 | 劣勢機能 |
|---|---|---|---|---|
| ISFJ | Si(過去経験) | Fe(場の調和) | Ti(論理分析) | Ne(可能性) |
| ESFJ | Fe(場の調和) | Si(過去経験) | Ne(可能性) | Ti(論理分析) |
| ISTJ | Si(過去経験) | Te(効率化) | Fi(価値観) | Ne(可能性) |
| ESTJ | Te(効率化) | Si(過去経験) | Ne(可能性) | Fi(価値観) |
看護現場での特徴:
手順通りに確実にケアを提供する。責任感が強く、チームの安定に貢献する。変化や予想外の事態はストレスになりやすい。
SP系(探検家):自由と柔軟性を大切にする
SP系は、「自由」「柔軟性」「今この瞬間」を大切にするタイプです。
| タイプ | 主機能 | 補助機能 | 第三機能 | 劣勢機能 |
|---|---|---|---|---|
| ISFP | Fi(価値観) | Se(今この瞬間) | Ni(本質洞察) | Te(効率化) |
| ESFP | Se(今この瞬間) | Fi(価値観) | Te(効率化) | Ni(本質洞察) |
| ISTP | Ti(論理分析) | Se(今この瞬間) | Ni(本質洞察) | Fe(場の調和) |
| ESTP | Se(今この瞬間) | Ti(論理分析) | Fe(場の調和) | Ni(本質洞察) |
看護現場での特徴:
予想外の事態に柔軟に対応できる。「今」に集中し、スピーディーに動ける。長期計画や深い意味を考えるのは苦手。
機能スタックの読み方:3つのポイント
この表を見るとき、次の3つのポイントを意識してください。
INFPとENFPは、どちらもFiとNeを使うが:
順番が違うだけで、行動パターンもつまずきもまったく違います。
自分のタイプの機能スタックを見てみよう
ここまで読んで、自分のタイプの機能スタックを確認してみてください。
- 主機能を見て「たしかに、これが一番得意だ」と感じましたか?
- 劣勢機能を見て「ストレス時にこうなる!」と思い当たりましたか?
- 補助機能を見て「これを意識すればバランスが取れそう」と感じましたか?
もし、ピンと来ない場合は、各タイプの詳しい記事を読んでみてください。
次は、この機能スタックを看護現場でどう活かすかを見ていきましょう。
看護現場での活かし方
ここまで、MBTIの機能スタックについて学んできました。
では、これを実際の看護現場でどう活かすか?
ここでは、5つの視点から具体的に見ていきましょう。
① 自分の強みを理解して活かす
まず、自分の主機能と補助機能を理解することが最も重要です。
なぜなら、この2つが「あなたが最も力を発揮できる場面」を教えてくれるからです。
例:INFP(主機能Fi + 補助機能Ne)の場合
強みを活かせる場面:
- 患者さんの価値観を深く理解し、その人に合ったケアを提供する(Fi)
- 「こんな可能性もあるかも」と回復の希望を見つけて伝える(Ne)
- 「意味のある仕事」に深くコミットする(Fi × Ne)
向いている環境の例:
- 一人ひとりに深く関われる(訪問看護、緩和ケア)
- 創造的なケアが認められる(リハビリ、退院支援)
- 自分のペースで働ける(夜勤専従、派遣)
例:ISTJ(主機能Si + 補助機能Te)の場合
強みを活かせる場面:
- 手順通りに確実にケアを提供する(Si)
- 効率的に業務を組織化する(Te)
- 過去の経験を活かして判断する(Si × Te)
向いている環境の例:
- 手順が明確で、安定している(病棟、手術室)
- 責任感を評価される(リーダー、教育担当)
- 長期的なキャリアを築ける(公立病院、大学病院)
ポイント:自分の主機能と補助機能が活きる環境を選ぶと、「自分らしく働けている」と実感できます。
② 苦手な機能をカバーする方法
第三機能や劣勢機能は、自分だけで克服しようとしなくていいのです。
むしろ、得意な人と組むことで、お互いの強みを活かせます。
例:ENFPが「続けること(Si)」が苦手な場合
無理に自分で頑張るのではなく:
- ISTJ/ISFJ(主機能Si)の先輩と組む
- 「アイデアは出すので、形にするのを手伝ってください」と頼む
- 相手の「コツコツ続ける力」を認め、頼る
逆に、自分の強み(Ne/Fi)で相手をサポート:
- 「こんな可能性もありますよ」と新しい視点を提供
- Si型が固まりがちなところに風を通す
例:INTJが「場の感情を読むこと(Fe)」が苦手な場合
無理に自分で頑張るのではなく:
- ESFJ/ENFJ(主機能Fe)の同僚と組む
- 「チームの雰囲気はどうですか?」と聞く
- 相手の「場を読む力」を認め、頼る
逆に、自分の強み(Ni/Te)で相手をサポート:
- 「長期的にはこうなるはず」と戦略的な視点を提供
- Fe型が感情に流されがちなところを論理で整理する
ポイント:苦手なことを無理に克服しようとせず、得意な人と組むことで、お互いの強みが活きるチームになります。
③ ストレス時の対処法(劣勢機能暴走時)
劣勢機能が暴走したら、「疲れすぎのサイン」です。
まず、休むこと。そして、主機能を使ってエネルギーを回復することが大切です。
例:INFJの劣勢機能Se(現実感覚)が暴走した場合
暴走のサイン:
- 突然、過剰に食べたり買い物したりする(五感の過剰使用)
- 「今」だけに集中しすぎて、普段の長期的視点が消える
- 自分らしくない行動をしている感覚
対処法:
- まず、休む(仕事から離れる)
- 主機能Ni(洞察)を使う時間を作る:一人で静かに考える、瞑想する、長期的な未来を描く
- 補助機能Fe(共感)を使う:信頼できる人と深く話す、他者の気持ちを理解する
例:ESTJの劣勢機能Fi(内面の価値観)が暴走した場合
暴走のサイン:
- 突然「誰も自分の気持ちを分かってくれない」と孤立感を感じる
- 感情的になり、普段の冷静さが消える
- 「自分は評価されていない」と被害者意識を持つ
対処法:
- まず、休む(仕事から離れる)
- 主機能Te(効率化)を使う時間を作る:物事を整理する、計画を立てる、達成感を得る
- 補助機能Si(過去経験)を使う:「これまでもうまくいった」と思い出す、安心できるルーティンに戻る
ポイント:劣勢機能が暴走したら、主機能と補助機能を使ってエネルギーを回復することが最優先です。
④ 他のタイプとの協働のコツ
機能スタックを理解すると、「なぜあの人はこう考えるのか?」が分かります。
そして、お互いの強みを活かす協働ができるようになります。
| あなたのタイプ | 組むと良いタイプ | 理由 |
|---|---|---|
| INFP/ENFP (主機能Fi/Ne) | ESTJ/ENTJ (主機能Te) | アイデアを形にする力を補える |
| INFJ/INTJ (主機能Ni) | ESTP/ESFP (主機能Se) | 「今」に集中する力を補える |
| ISTJ/ISFJ (主機能Si) | ENTP/ENFP (主機能Ne) | 新しい視点を取り入れられる |
| ESTP/ESFP (主機能Se) | INFJ/INTJ (主機能Ni) | 長期的な視点を持てる |
ポイント:自分と真逆の機能を持つタイプと組むと、お互いの弱点を補い合える最強のチームになります。
⑤ キャリア選択への活かし方
最後に、機能スタックをキャリア選択に活かす方法を見ていきましょう。
キャリア選択の3つのポイント
① 主機能が活きる環境を選ぶ
- 主機能を使えないと「自分らしくない」と感じる
- 主機能が活きる環境なら、エネルギーが湧いてくる
② 劣勢機能を使い続けなければならない環境は避ける
- 劣勢機能を使い続けると、燃え尽きる
- 「苦手なこと」を頑張り続けるのは、持続しない
③ 補助機能を育てる機会がある環境を選ぶ
- 補助機能が育つと、人生が安定する
- 主機能だけだと暴走しがち、補助機能がブレーキになる
もし、今の職場で「自分らしく働けていない」と感じているなら、
- 主機能を使える場面が少ないのでは?
- 劣勢機能を使い続けなければならない環境では?
- 補助機能を育てる機会がないのでは?
と、振り返ってみてください。
まとめ:MBTIの心理機能を理解して、自分らしく働こう
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
この記事では、MBTIの心理機能(認知機能)について、看護師向けに詳しく解説してきました。
- MBTIの4文字(E/I、S/N、T/F、J/P)は、表面的な特徴を表すだけ
- 8つの認知機能(Ne/Ni/Se/Si/Te/Ti/Fe/Fi)が、あなたの「行動パターン」や「つまずき」を説明する
- 機能スタック(主機能・補助機能・第三機能・劣勢機能)の順番で、各タイプの働き方が決まる
- 主機能を使えると「自分らしい」と感じ、劣勢機能を使い続けると燃え尽きる
- 苦手な機能は無理に克服せず、得意な人と組むことで強みを活かせる
①自分の行動の理由が分かる
- なぜ自分は「こう感じる」のか?
- なぜ自分は「こう行動する」のか?
② 力を発揮できる場面が分かる
- どんなときに「自分らしい」と感じるか?
- どんな環境なら力を発揮できるか?
③ ストレスの原因が分かる
- なぜ自分は「これが苦手」なのか?
- ストレス時に「なぜこうなる」のか?
④ 他のタイプとの違いが分かる
- なぜあの人は「こう考える」のか?
- どうすれば「うまく協働できる」のか?
⑤ 自分に合った働き方が分かる
- どんな環境が「自分に合う」のか?
- どんなキャリアを「選ぶべき」なのか?
最後に:自分らしく働くために
MBTIの心理機能を理解することで、
「なぜ自分はこうなんだろう?」という疑問が解消され、「自分らしく働くにはどうすればいいか?」が見えてきます。
もし、今の職場で「自分らしく働けていない」と感じているなら、それは、あなたが悪いのではありません。
あなたの主機能が活きない環境にいるだけです。
自分の機能スタックを理解して、自分に合った働き方を見つけてください。
そして、「自分らしく働けている」と実感できる毎日を手に入れてください。
さらに深く自分を知りたいあなたへ
「MBTIの心理機能は理解できた。でも、自分の行動パターンをもっと深く知りたい」
そんなあなたには、4Aメソッドをおすすめします。
4Aメソッドは、「なぜ自分は理想通りに行動できないのか?」を解き明かす、4つのステップです。
- STEP1:自分の改善目標を明確にする
- STEP2:目標を阻む「阻害行動」を特定する
- STEP3:阻害行動の背後にある「恐れ」を言語化する
- STEP4:恐れを生み出す「強力な固定観念」を発見する
この4つのステップを通して、自分の行動を変える「根本的な方法」が見つかります。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
それでは、あなたが自分らしく働ける毎日を手に入れられることを願っています。
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。















