この記事では「看護師さんが日々感じているであろう、大きなストレスを軽くする方法」について解説します。
ちなみにブログ著者の岩下は、プロのコーチとして1,000人以上にセッションを行なってきました。
通常、コーチングはクライアントの目標達成を主にサポートしますが、多くの場合で「メンタルケア」も一緒に行います。
そんな経験から、今回は「誰でも・すぐにできるストレス軽減」をテーマに、具体的な方法をお伝えします。
もしそんなことを感じたら、是非この記事を読んでみてくださいね。
- 看護師が抱えるストレスの深い要因
- 「書くこと」でストレスを解消する具体的な方法
- ストレスのメカニズム
- ストレス限界の予兆となる行動
岩下 知史(イワシタ トモフミ)
会社員時代に躁鬱病を経験〜独立後は物販・コーチング・ライティングで売上1,000万〜2,500万円のスモールビジネスを複数立ち上げ。 これまで1,000人以上の起業家、個人事業主に研修・コーチング・コンサルティングを提供。
目次
- 1 データが証明している看護師のストレス
- 2 看護師が抱えるやばいストレスの要因
- 3 ストレス発散の重要性と「書くこと」の効果
- 4 看護師のやばいストレスを「書いて」解消する10個のテーマ
- 5 1.感謝を書く:グラティテュード・ジャーナル
- 6 2 感情を書く:エモーショナル・ジャーナル
- 7 3.仕事について書く:ワーク・ジャーナル
- 8 4.夢を書く:ドリーム・ジャーナル
- 9 5.内面を書く:セルフ・リフレクション
- 10 6.アイデアを書く:インスピレーション・ジャーナル
- 11 7.目標を書く:ゴール・セッティング
- 12 8.時間管理を書く
- 13 9.日記を書く
- 14 10.ブログを書く
- 15 書くこと以外のストレス発散法
- 16 看護師の抱えるストレスのメカニズム
- 17 【要注意!】それ、ストレス限界の前兆かも?
- 18 看護師が仕事のストレスを脱却する第一歩
- 19 看護師がやばいストレスを乗り越えた先にあるもの
データが証明している看護師のストレス
看護師という仕事は、多くの人々から尊敬される職種ですが、患者さんの命を預かるこの役職は、豊富な知識と技術、そして高い人間力が要求されますよね。
となると、当然その背景には、心身の健康を害しかねないような深刻なストレスもあるはずです・・・。
職場環境や人間関係、患者のケアとのバランス、そして重圧となる責任感など、看護師特有のストレスの原因は多岐にわたります。
また日本医療労働組合連合会の「看護職員の労働実態調査(2017年)」によると、メンタル不調者のいる職場は全体の約3割にのぼるとされています。(「わからない」という回答があることを踏まえると、実際にはもっと数値は上がる可能性あり)
僕も会社員時代に「躁鬱病」になって会社に行けなくなったことがあります。現代社会において、ストレスコントロールは人生を充実させる鍵です。
看護師が抱えるやばいストレスの要因
看護師という職種には、外部から理解し難いストレスが数多く存在します。
厚生労働省の発表している「看護職員就業状況等実態調査結果(平成22年)」によると、他施設で働きたい・もしくは看護職員以外の職業で働きたい、と思っている方の理由は以下の通りでした。
- 責任の重さ・医療事故への不安があるため
- 給与への不満
- 休暇がとれない・とりづらいため
- 超過勤務が多いため
- 人間関係が良くないから
こういった理由が、看護師のストレスを高める要因になっていると言えます。
しかし、逆に言えばそれらのストレスの要因を明確に理解することで、問題への対処や解消法を見つけるヒントが見えてくるとも言えるのではないでしょうか。
続いて特に強いストレスを引き起こす、主な要因を詳しく探ってみましょう。
1.リズムの乱れ
医療の現場は、24時間365日動いています。そのため、看護師のシフトは多岐にわたり、夜勤や休日出勤が当然となる職場環境は、生活リズムの乱れを引き起こしやすいのです。
さらに、医療設備の鳴り響く音や、常に緊張を要求される環境は、心身ともに疲弊しやすい要因となりますね。
↓「最近、夜勤がきつい・・・」と感じていたら、これを読んでみてください。
2.とにかく忙し過ぎる職場
医療現場は突発的に起こる業務が非常に多い環境です。
ナースコールの対応や、容態が急変した患者さんがいたら、やらなければならない業務を後回しにして、すぐに対応しなければなりません。
職場によっては人員不足もあるので、個人の業務はどんどん増える一方・・・そんな中で、新しい医療技術に対する勉強をしなくてはいけません。
3.重圧となる責任感
当然、看護師の仕事は患者さんの命を直接的に左右する可能性があるため、1つ1つの業務に対する責任感は非常に重いです。
例えば看護師の勤務先として最も多い病棟勤務の場合、ドクターがいつも近くにいるわけではありませんよね?
そんな中で常に患者さんに気を配り、変化に気づけるように気を張っていると考えると、心身にどれだけ負担が掛かっていることか。
こういったミスが許されない緊張感の中で、新しい技術や知識を学び続けなければならないわけですから、その全てを適切に活用することのプレッシャーは計り知れません。
4.複雑な人間関係・上司からのパワハラ
どんな職場でも人間関係は避けては通れない問題ですが、看護師の仕事では、様々な役職や専門性を持つスタッフと連携しながらの業務が求められます。
医師や他部署のスタッフ、さらには患者やその家族とのコミュニケーションが日常的に発生するため、微妙な人間関係のトラブルがストレスの大きな要因となるでしょう。
ここで再度、日本医療労働組合連合会の「看護職員の労働実態調査(2017年)」によると「パワハラを誰から受けたか?」の質問に対して、約6割が「看護部門の上司」と答えたそうです。(次いで医師が4割強)
最近では男性看護師も増えているとは言え、まだまだ看護師は女性社会ですよね。
緊張感のある現場でピリピリしたムードの中、威圧的な看護師長から八つ当たりを受けてしまった・・・なんて例も少なくないそうです。
忙しいからこそ同僚と十分なコミュニケーションが取れないまま、余計な気遣いばかり増えて、人間関係がギクシャクしてしまうことも考えられますね。
5.患者とのコミュニケーションの難しさ
また医療現場では、患者さんとの関係性づくりが非常に繊細で難しいものになっています。
患者さんは、不安や痛み、疲れなどさまざまな感情を持っていますが、それぞれの患者さんの状態や背景を理解し、適切な対応をすることは容易ではありませんね。
いつもクレームばかり言ってくる患者さんの対応に、貴重な時間が使われてしまったり、中には暴力を振るわれてしまう方もいるほど・・・。
患者さんとのコミュニケーションは、とてもやりがいがある一方で、ストレスとなることも少なくありません。
補足:データから見る人間関係の重要性
アメリカの世論調査会社であるギャラップ社によると「職場に親友がいるかどうか?」で、以下のような傾向が高くなるそうです。
- 従業員が自ら顧客や社内パートナーに働きかける
- 短時間でより多くの仕事をこなす
- 事故や信頼性への懸念を減らし、安全な職場をサポートする
- アイデアを革新し、共有する
- 楽しみながら仕事ができる
また、ブリガム・ヤング大学心理学教授のジュリアン・ホルト=ランスタッド博士の研究によると、30万人以上の参加者を代表する148件の研究から、社会的つながりが増えると早期死亡リスクが50パーセント減少することが分かっています。
人間関係の問題は、仕事だけにとどまらず、命にまで関わるほど重要であることが分かりますね。
<参考>
GALLUP:The Increasing Importance of a Best Friend at Work
HUFFPOST
では一体どうすれば。このストレスフルな環境を脱却することができるのでしょうか?
そのヒントは「書くこと」にあります。
ストレス発散の重要性と「書くこと」の効果
今回は、僕がコーチングの中で活用している「書くストレス発散法」についてご紹介しましょう。
ストレス発散の1つの方法として、この記事では「書くこと」に焦点を当てます。
「書くこと」には、思考を整理し、感情をコントロールする力があるからです。
その効果は、アメリカの社会心理学者であるジェームズ・ペネベーガー博士が1980年代に生み出した「エクスプレッシブ・ライティング(Expressive writing)」という、方法で明らかになっています。
博士の実験によると、毎日寝る前に自分の感情を書き出すことで、ストレスが大幅に解消することが分かっています。
その効果は非常に高く、認知行動療法でも使われているそうです。
<参考>
文部科学省:在外教育施設安全対策資料【心のケア編】より:第2章 心のケア 各論
ダイアモンドオンライン:「今すぐできて効果絶大!」科学的に証明された不安を消し去る方法
僕も実際にクライアントにオススメしていますが、多くの方が頭の中がスッキリし、ポジティブな気持ちになることを実感しています。
看護師のやばいストレスを「書いて」解消する10個のテーマ
準備するもの
- ノートと筆記用具(PC・スマホでもOK)
- 静かな空間
<書く際のポイント>
・ノートとペンは、お気に入りの物を選んでおくと愛着が湧きます。
・パソコンやスマホへの入力でも良いのですが、可能であれば「手書き」をオススメします。(頭と手を動かす、体感が重要!)
自分好みの筆記用具を探すこと自体が、意外とストレス解消になったりします。
あなたのピンと来たもので良いですが、もし迷った時のために、ここでは「フランクリン・プランナー」という手帳をご紹介しておきます。
これだけあれば時間管理はバッチリ!という手帳なので、興味があればご覧ください。(ステマ広告ではありませんのでご安心を)
参考:フランクリン・プランナー
では、早速本題の「書くと心がラクになる10個のテーマ」について、ご紹介しましょう!
1.感謝を書く:グラティテュード・ジャーナル
感謝の気持ちを書き出すことで、日々の小さな幸せに気づくことができます。
この習慣により、ポジティブな思考が育ち、毎日の生活において前向きなエネルギーを感じることができるでしょう。
いきなり感謝と言われても、そんな気が起きないんですけど・・・
と思ったとしても、大丈夫です。
心から湧いてくる自然な感謝がベストですが、それが難しいのであれば、慣れるまでは無理やりにでも探すクセをつけてください。
具体的な書き方は以下の通りです。
今日1日を振り返って、少しでも良いので感謝できることを書く
(例)「職場の同僚が仕事を手伝ってくれた」「近所の人が挨拶してくれた」「晴れて良かった」「今日も健康に体が動いている」など。
どんな些細なことでも良いので、注目してみましょう。
どうしても書くことがない場合は、一見感謝とは無縁そうな、何気ない出来事を思い出して、その出来事の良い面に注目してみてください。
(例)通勤途中で電車が遅延したが、そのおかげで読みたかった本を読む時間ができた。昼食が美味しくなかったけど、それでも栄養を摂れたことに感謝する。など。
感謝を引き出す質問
Q.今日体験した出来事から、学んだことは何ですか?
Q.今日、自分ができた小さな成功や達成は何ですか?
Q.今ありがとうを伝えるとしたら、それは誰ですか?
自分の生活の中で起きる出来事全てには、良い面が存在します。
もし忙しい日が続いたとしても、その中で学んだことや、経験したことに対して感謝を見いだすことができます。
慣れない間は、感謝する対象を見つけるのが難しいかもしれませんが、続けていくうちに、自然と感謝の気持ちが湧いてくるようになります。
そして、その感謝の気持ちが日々のストレスや悩みを軽減し、よりポジティブで前向きな心持ちに変わっていくはずです。
2 感情を書く:エモーショナル・ジャーナル
あなたは最近「自分の気持ち(感情)」をしっかり感じていますか?
実は「自分の気持ちがよく分からない・・・」という人は、意外に多いです。
なぜなら、現代は感情より思考が優先されることが多いからです。
だからこそ「今何を感じているか?」に意識を向け、丁寧に書き留めていきます。
具体的な書き方は以下の通りです。
リラックスし、集中する
- 深呼吸をする、瞑想をするなどして、心を落ち着かせる。
- 静かで落ち着いた場所を選ぶ。
今の気持ちをそのまま書き出す
今の自分が何を感じているのかを、丁寧に確認しましょう。
(例)疲れている、テンションが高い、モヤモヤする、ソワソワする、など。
この時点では「怒り」「悲しみ」などの具体的な感情でも良いですし、言葉にならない言葉でもOKです。
次のステップで具体的な感情を特定します。
現在の感情を特定する
ステップ2で感じた気持ちに、明確な名前をつけてみましょう。
(例)「モヤモヤしている→罪悪感・退屈」「怒り→憎悪・煩わしさ」など。
感情の分け方がわからない場合は「プルチックの感情の輪」を参考にして、より当てはまるものを書いてみてください。
また、名前をつけることができたら、「大きい・小さい」「丸い・ギザギザしてる」「赤い・黒い」など、色や形のイメージも付け加えてみてください。
感情の原因を探る
その感情が、なぜ生じているのかを考えてみましょう。
もし特定の出来事や人物、状況が感情の引き金になっているなら、それを特定してみます。
(例)罪悪感→「日中あまりに忙しい時にされた上司の指示にイライラしていて、施設の利用者さんに八つ当たりしてしまった」など。
感情を深堀りする
なぜ、それを感じるのか?その感情の背後にある深層の思考や信念(信じていること)、価値観を探ってみましょう。
(例)利用者さんに八つ当たりする自分は、子供じみていて大人げないと思っている→「大人な対応ができなければ、自分に価値が無いと思い込んでいる」など。
もしこの時点でステップ3の感情に変化があれば、それを書いてください。
(例)罪悪感→実は「悲しみ」だったかも。
難しいと感じる場合は、無理に考えず次のステップに進んで大丈夫です。
感情を言葉にする
感じていることをできるだけ具体的に、正直に書き出します。
「私は〜を感じている。それは〜のためだ」という形を使うと、書きやすいと思います。
(例)「私は悲しみ感じている。それは自分が無力だと感じ、自分で自分を責めているためだ」など。
<効果的に感情を書き出すポイント>
1.PCやスマホ入力でも良いですが、後から形に残らないよう、紙のようにすぐに捨てられるものを使った方が遠慮せず書けるでしょう。(書いたものは捨ててしまいましょう!)
2.感情を書き出すときは、丁寧に言い直したりせず、思い浮かんだまま書き出すことがポイントです。(NG:ムカつく!→腹が立つ)(GOOD:ムカつく!→ムカつく!)
3.仕事について書く:ワーク・ジャーナル
仕事について、達成したことやうまくできた事を書きます。
具体的な成果や改善点を明確にすることで、仕事への意欲や達成感が増し、より良いパフォーマンスを発揮できるようになります。
成果を引き出す質問
Q. どの業務や作業で成果を上げることができましたか?
Q. その成果を達成するために、どのようなアクションや戦略を取りましたか?
Q. この期間中に学んだ最も価値のあることは何ですか?
改善点を引き出す質問
Q. どのプロジェクトやタスクで予定通りに進まなかったですか?
Q. その際、何が障害となりましたか?それにどのように対処しましたか?
Q. 今後、同様の問題や困難を避けるために、何を改善できますか?
<仕事について書く際のポイント>
くれぐれも改善点に偏りすぎないように、成果とのバランスを取りながら書いてください。
4.夢を書く:ドリーム・ジャーナル
昔好きだったことに、最近全然興味が湧かない・・・
これは心が疲れている時に、よくあるケースです。
そんな時、将来の夢や目標を描くことで、ビジョンが明確化し、少しずつワクワクの心を取り戻すことができます。
また夢を紙に書き出すことで、それが現実のものとしてイメージしやすくなり、目標達成に向けた行動も促されます。
夢を引き出す質問
Q.子供の頃、好きだったことはなんですか?
Q.ずっと興味はあるけど、できていないことは何ですか?
Q.もし失敗や制限が全くない世界だったら、何を達成したいですか?
<夢を書くポイント>
こんな事できるはずがない、やっても意味がない・・・といった考えは一切捨てて、どっぷり空想の世界に入り込んでください。
5.内面を書く:セルフ・リフレクション
自分自身について深く考え、それを書き出すことで、自己理解が深まり、自己受容が促進される方法です。
自己理解を深める質問
Q.自分の価値観は何ですか?
Q.今の生活や仕事に満足していますか? どの部分が満足/不満ですか?
Q.自分の強みと弱みは何だと思いますか?
Q.最近挑戦したことや新しいことを学んだことは何ですか?
Q.自分が他人からどのように見られていると思いますか?
Q.今の生活や仕事で変えたいと思うことは何ですか?
Q.近くの未来で達成したい目標は何ですか?
Q.成功とは何だと思いますか? 自分の成功の定義は何ですか?
Q.ストレスや困難にどのように対処しますか?
Q.自分の人生において最も影響を与えた経験や人物は誰ですか?
これにより、自分の価値観や信念、目標を明確にし、自己成長の道を切り開くことができます。
↓自己分析を終わらせる「72個」の質問を用意しました。
6.アイデアを書く:インスピレーション・ジャーナル
忙しくしていると、ふと思いついたアイデアもすぐに忘れてしまうもの。
インスピレーションを得たことや新しいアイディアを、しっかり記録することで、やる気が刺激されます。
創造性を刺激する質問
Q.もし制約が何もなかったら、何を創り出したいですか?
Q.今まで経験したことのないことを一つ挙げてみてください。それを経験すると、どのように感じるでしょうか?
Q.これまで学んできた異なる分野の知識やスキルを組み合わせると、どのような新しいものが生まれるでしょうか?
Q.最も尊敬する人物と一日過ごすとしたら、何を学びたいですか?
Q.今の生活や仕事をより良くするために、何ができるでしょうか?
これにより、新しい視点やアプローチが生まれ、日々の業務や生活に革新をもたらすことができるでしょう。
7.目標を書く:ゴール・セッティング
目標設定とそれに向けた達成計画を書き出すことで、モチベーションの維持と達成への道筋が見えてきます。
目標を引き出す質問
Q.あなたが助けたい人は誰ですか?
Q.あなたが最も価値を見いだす活動や仕事は何ですか?
Q.社会の中で変えたいと思っていることは何ですか?
Q.5年後、10年後のあなたはどのような生活をしていたいですか?
Q.達成することで最も幸せを感じるであろう目標は何ですか?
<目標を書く際のポイント>
最初は「大きな家に住む」「高級車に乗る」など、自分の欲求に関する目標でも良いのですが、「社会貢献」の意味を含んだ目標を考えると、よりビジョンが広がります。
↓自分の「価値観」を知っておくと、明確な目標を立てることができます。
8.時間管理を書く
イメージ的に時間管理を苦手とする方は多いのですが、実は時間の使い方や計画を記録することで、生産性が向上し、ストレスが軽減されることがよくあります。
時間管理の方法は様々ですが、まずは以下のやり方に慣れておくと良いでしょう。
作業の一覧を作成する
すべてのタスクやToDoを紙やアプリに書き出します。
最初はあまり深く考えずに、頭の中にある「すべきこと」「やっておいた方が良いこと」をどんどん書き出しましょう。
優先順位を決定する
作業に緊急性や重要度に基づいて優先順位をつけます。
この際に、先ほどご紹介した「フランクリン・プランナー」を使うと、自分にとって効果的な優先順位を決められますよ。
時間に余裕を設ける
出来上がった優先順位をもとに、スマホカレンダーや手帳にスケジュールを書き込みます。
この際、予期せぬタスクや緊急の仕事が入っても対応できるように、余裕を持ったスケジュールを作っておくことがポイントです。
効率的な時間管理術を記録し、実践することで余裕を持った時間の使い方が可能となります。
9.日記を書く
これはシンプルに日々の出来事を書き込む方法です。
日記を通じて、自分の心の動きを探ることで、心の健康を維持し、自己成長を促すことができます。
誰にも見せる必要はありませんので、フォーマットにはこだわらず、思いついたことや感じたことを書き連ねてください。
疲れている時などは、乱雑な字でもOK!毎日少しずつ、書き続けることに意味があります。
10.ブログを書く
これは中級者以上向けですが、自分の知識や経験を共有することで、コミュニケーションの向上と個人ブランドの構築ができます。
まずは、1〜9の方法で自分の感情・思考などの内面に注目し「これは誰かに見てもらいたい!」という思いが湧き上がったら、チャレンジすると良いでしょう。
ブログを通じて、他者とのつながりが生まれ、確実に新しいチャンスや可能性が広がります。
↓ブログについては、こちらで詳しく解説しています。
以上が、書くことでストレスを発散できる10個のテーマです。
ただし、これらはかなり強力な方法ですが、場合によっては書くことすらもできない・・・というタイミングもあるかもしれません。
そんな時のために、書くこと以外のストレス発散法もご紹介しておきましょう。
↓プレゼントの受け取りはこちらから!
書くこと以外のストレス発散法
1.ポジティブな自己対話を育てる
とある研究によると、私たちは1日6万回も思考しているそうです。
自分自身との対話は、私たちが意識しない間にも常に行われているんですね。
しかし、この対話がネガティブな内容であると、心のストレスは増大してしまいます。
ここで大切なのは、自分に対するポジティブな対話を意識的に育てていくこと。
例えば、「今日はこれを頑張った」「自分は大丈夫」というシンプルな励ましから始めると、心の状態が徐々に安定していきます。
とはいえ、もし・・・
自分に対してどうしてもポジティブになれません・・・
と感じる場合は、仮に「仏様のように心穏やかで、信頼できる先生・メンターなら自分になんて言うだろう?」と考えてみましょう。
あなたは今日もよく頑張りましたね。確かに、うまくできなかったこともあったようですが、それはまた明日からゆっくり取り組めば良いのです。
今日はゆっくりお休みなさい。
・・・なんて風に、普段とは少し違った言葉が聞こえてくるのではないでしょうか(笑)
人間は、他人に対しては優しくできるのに、自分に対して必要以上に厳しく接することがよくあります。そうではなくで、自分が自分に一番優しい!という状態と作っていきましょう。
これらはセルフコンパッション(自分への思いやり)という考え方です。セルフコンパッションについては、以下の本がオススメですので、興味があれば読んでみてください。
『セルフ・コンパッション』
クリスティン・ネフ (著), 石村 郁夫 (翻訳), 樫村 正美 (翻訳), 岸本 早苗 (翻訳), 浅田 仁子 (翻訳)
Amazonページ:https://00m.in/sKAeK
僕は、自分に対して厳しくするのは「心が健全な状態で、成長したい!という気持ちの余裕がある時だけ」と考えています。基本的には自分に一番優しく接してください。
2.仕事外の趣味や関心を見つける
大きなストレスを抱えている渦中にいると、視野が狭くなりがちですが、仕事だけが人生ではありません。
仕事外での趣味や関心事を持つことは、心のリフレッシュやリセットの大切な方法となります。
新しいことに挑戦したり、自分の好きなことに没頭する時間を持つことで、心のストレスは自然と軽減されます。
ちなみに、認知神経心理学者デービッド・ルイス博士によると「6分間という短い時間読書をしただけで、ストレスが68%も軽減する」ことが分かったそうです。(音楽は 61 %減、一杯のコーヒーを飲むと 54 %減、散歩をすると 42 %減)
これはリラックスした状態が、ストレスに対していかに重要であるか?を示した結果だと言えます。
もし、あなたが本を読むのが好きなのであれば、毎日6分だけ本を読むのも良いかもしれません。
↓副業を通じて新しい世界を見ることも、ストレス解消につながります。
これらのストレス発散法は、あくまで対処法です。
理想は「ストレスを抱え込まないことであり、早い段階でストレスに気づくこと」ですよね。
そのためにも
- そもそもストレスってどうやって生まれるのか?
- これが出たら、ストレス限界の予兆かも?
についてお伝えしておきます。
看護師の抱えるストレスのメカニズム
あなたは看護師として、日々多くの人の健康管理に触れていると思います。
・・・が、自分の体にフォーカスをあて、日常的に感じるストレスや疲れが、どのようなメカニズムで心と体に影響を及ぼすのか?を考えたことはあるでしょうか?
ストレスの構造を理解することは、適切な対処法やセルフケアの方法を見つける手助けとなるでしょう。
①心の容量:感情とストレスの関係
私たちの心には一定の「容量」があり、日常の出来事や感情、様々な情報がこの容量の中に溜まっていくと言われています。
喜びや楽しみといったポジティブな感情もあれば、悲しみや怒り、不安といったネガティブな感情も存在し、これらの感情が心の容量を超えると、ストレスとして感じるようになります。
そう考えれば、特に看護師としての業務中に絶えず溜まる情報や感情が、いつその限界を超えてもおかしくありませんね。
先ほどの書くストレス発散法は、この感情に向き合う方法と言えます。
②体の反応:ストレスがもたらす身体的影響
また、ストレスは心の問題だけでなく、体にも直接的な影響を与えます。
ストレスがかかると、体は自然と「戦うか逃げるか」という反応を示すようになります。
これは、古代の人々が危険な状況に対応するための生存本能として備わっている反応です。
しかし、現代社会でのストレスは継続的に存在するため、この反応が常に働くことになり、心拍数の上昇や筋肉の緊張、食欲がなくなるなどの身体的な症状を引き起こすことがあります。
③限界のサイン:自分のストレス反応を見極めよう
人はそれぞれ異なる「ストレスの限界」を持っています。
この限界を知り、それを超えないように日常を過ごすことが、長期的な健康を保つ鍵となります。
自分の限界を知るためには、日常の体調や心の変化を注意深く観察することが大切です。
特に、以下のような症状が出ている時は「まだ大丈夫でしょ!」と油断せずに、少し大袈裟なくらいで意識するのがちょうど良いかもしれません。
(1)心理面の反応
不安、イライラ、恐怖、落ち込み、緊張、怒り、罪悪感、感情鈍麻、孤独感、疎外感、無気力など
(2)身体面の反応
動悸、発熱、頭痛、腹痛、疲労感、食欲の減退、嘔吐、下痢、のぼせ、めまい、しびれ、睡眠障害など
<参考情報>
『心の容量が増えるメンタルの取扱説明書』(エマ・ヘップバーン 著、木村千里 訳)
在外教育施設安全対策資料【心のケア編】 第2章 心のケア 各論(文部科学省)
『こころの情報サイト』(国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所)
メンタルを扱うコーチングの現場では、クライアントが「なぜ、それが起きるのか?」という構造理解を深めるだけでも、心がラクになることがよくあります。
【要注意!】それ、ストレス限界の前兆かも?
ストレスが生まれる構造が分かったところで、あなたは
うーん、確かに当てはまる感じもするけど、今のところ私は大丈夫かも!
なんて思いませんでしたか・・・?
でも、自分のことは自分が一番分からないものなんです。
だからこそ、必要以上に頑張ってしまって、気づいた時には心身ともにボロボロだった・・・なんてことになりかねないわけですね。
そんなあなたのために「今こんな事を感じてたら、ちょっと注意しておきたいよね」というシチュエーションをまとめておきます。
もしピンとくるものがあれば、自分のことを大切にする時間を増やしてくださいね。
①最近、自分の言いたいことが言えていない
日本人は調和の精神が強く、自己主張が苦手なのですが、これは特に看護師さんの特性としても同じことが言えます。
医療現場ではチームワークが大切にされるため、自分だけの意見で勝手な行動を取るわけにはいきませんよね。
また多忙な業務の中で、思っていることが後回しになり続けることで「あーあ、もういいや・・・」という状態になることもよくあるでしょう。
しかし、この状態が続けば、確実にストレスは溜まり続けます。最初は些細なことだったのに、長い時間をかけて溜め込んだ我慢はどうなるでしょうか?
いつか爆発して怒りを撒き散らすくらいならまだしも、病気という形で現れて、体を壊してしまっては元も子もありませんよね。
言いたいことの全てが言えなかったとしても、例えば申し送りの際に自分の意見をしっかり伝えるとか、会議の際に考えていることを出すなど、少しずつ言いたいことを言う場を増やしていきましょう。
②これまで楽しかった事が楽しくなくなった
厚生労働省の『こころもメンテしよう』によると、うつ病の特徴として「これまで好きだったことに興味がわかない、何をしても楽しくない」という項目が挙げられています。
感情を抑圧した状態が長く続くと、最終的に「諦め・無気力」という状態になります。
するとそれまで楽しかったことが楽しくなくなって
んー、そんなことやって何になるの?今は少しでも寝てたい・・・
といった状態になりやすいんです。
実際は重い腰を上げて、少し踏ん張ってやりたいことやってみると、活力がみなぎることもよくあるのですが、そこに至る前がツラすぎて動けないんですね・・・。
もしあなたもそう感じていたら、休憩する時と、動いてみる時のメリハリをつけてみてください。
③ストレスだなんて、そんな甘いこと言ってられない!と思ってる
これは、自分の成長に喜びを感じる方に多いのですが、ある意味でストイックなので、周りからは尊敬の目で見られることも多いかもしれません。
でも実際は、自分に厳しくしすぎて心を疲れさせてしまうパターンですね。
また多忙な環境の中で、自分だけ疲れたとは言えない・・・という、先の自己主張が苦手なケースもこの状態になりやすいと言えます。
さて、あなたはどうでしたか?
実は、これらのパターンは「個人の特性」によっても、症状が出やすい場合があります。個人の特性については、以下にまとめてありますので合わせてご覧ください。
看護師が仕事のストレスを脱却する第一歩
看護師さんには、あなたと同じように日常の業務におけるストレスや、責任の重さから解放されるための方法を探している人は多いです。
ここまでストレスのメカニズムや、心をラクにさせる方法をお伝えしてきましたが、もしあなたが
やばい、この仕事もう限界かも・・・
と感じているなら、大きく環境を変えることも選択肢の1つです。
そんな時、もしかしたら「起業」が、あなたにとって新しく魅力的な選択肢になるかもしれません。
ポイントは単に起業する、ではなく“スモールビジネスで”起業することです。
続いて、その理由をお伝えします。
①看護師がビジネスを始めるメリット
↓忙しい看護師ママに知っておいてほしいこと・・・
②あなたのスキルを活かすビジネスアイディア
- 健康に関するコーチングやコンサルティング
あなたの専門知識を活用して、健康に関するアドバイスやコンサルティングを提供します。医療業界におけるあなたの資格と経験は、クライアントに大きな安心感を与えるでしょう。 - オンラインセミナーやワークショップの開催
専門知識を共有するためのオンラインクラスやワークショップを開催します。コーチング・コンサルティングがマンツーマンであるのに対し、これは複数人に対してサービスを提供する方法です。 - ヘルスケア製品の開発や販売
看護師・薬剤師・介護士としての経験を活かして、需要のある製品を開発・販売します。開発リソースを持っている人と組むことで、新しい製品を生み出すこともできるでしょう。
↓看護師のスモールビジネスアイデアについては、こちらで詳しく解説しています。
③スモールビジネスにおけるストレスマネジメント
スモールビジネスでも、成功へのプレッシャーや未知の課題によるストレスは存在します。
しかし、前述の「心のストレスを解消する実践的方法」を応用することで、ビジネスの中でのストレスも適切に管理することが可能です。
また、ビジネスを始める前の準備や計画、そして適切なサポートの導入は、未来のストレスを予防する役割も果たします。
1日でもはやく準備に取り掛かることも重要ですね。
↓起業準備として最低限やっておきたい事とは?
スモールビジネス起業は、あなたのキャリアと生活の質を向上させるチャンスになり得ます。あなたのスキルと経験を生かして、自分だけのビジネスを築き上げる道も、選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。
看護師がやばいストレスを乗り越えた先にあるもの
今回の記事では、職場におけるストレスの原因やそのメカニズム、そしてそのストレスを軽減する方法について学びました。
心のストレスを解消するための感情との向き合い方、ポジティブな自己対話、そして趣味や関心を見つけることは、日常生活の中でのささいな習慣の積み重ねから、より健やかな日々を送るための鍵となります。
また、ストレスを抱えない方法として、スモールビジネス起業についても触れました。
看護師さんのスキルと知識を活かして、自分だけのビジネスを築くことは、ストレスからの脱却だけでなく、新しいキャリアの可能性や自己実現の道を開く大きなステップとなるでしょう。
ストレスはどうしても私たちの人生の中で避けられないものです。
しかし、そのストレスを理解し、適切に管理することで、それを乗り越えて新しい未来を描く力を手に入れることはいくらでもできるのです。
看護師さんの経験は、その力を育むための大切な要素となるでしょう。
今後は何より自分自身を大切にし、新しい挑戦や学びを楽しむことで、より豊かな人生を築いてくださいね!
なんか最近疲れてるかも・・・ちょっとの事でイライラしちゃうわ。